日経新春杯の過去10年を、2026年1月18日の第73回まで含めて集計し直しました。対象は2017年〜2026年の10回・のべ145頭です。数字はすべて各回の公式結果から数え直したもので、推計値は使っていません。
結論から書きます。連対した20頭に共通していたのは、斤量ではなく「4コーナーで中団より前にいたこと」と「6番人気以内だったこと」でした。この2つを同時に満たした馬は145頭中44頭で、そのうち14頭が2着以内。どちらか一方でも外れた101頭からは6頭しか連対していません。
そしてもう1つ。このレースは京都・芝2400mと中京・芝2200mで、まったく別の顔をしています。過去10年のうち4回は中京開催で、距離も200m違います。10年分をひとまとめにした数字だけを見ると判断を誤るので、本記事では開催場を分けた数字も並べました。
この記事でわかること
- 過去10年(2017〜2026年)の全結果と、1〜3着馬の人気・斤量・4コーナー位置
- 連対馬20頭に共通していた条件と、その該当頭数
- 京都・芝2400m(6回)と中京・芝2200m(4回)で数字がどう変わるか
- 「軽ハンデが有利」「トップハンデは苦戦」といった定説を、実際の数字で確かめた結果
- 連対馬20頭が前走どこを使っていたか
日経新春杯とはどんなレースか(レース概要)
まず、集計の前提になる条件を整理します。この記事の数字が「何を数えたものか」を先に出しておきます。
| 競走名 | 日経新春杯(GII) |
| 創設 | 1954年(当初の名称は「日本経済新春杯」。1979年に現名称へ改称) |
| コース | 京都競馬場・芝2400m(外回り・右回り) |
| 負担重量 | ハンデキャップ |
| 出走資格 | サラ系4歳以上(未出走馬・未勝利馬を除く)。JRA所属馬、地方競馬所属の認定馬(2頭まで)、外国調教馬 |
| 施行時期 | 1月中旬 |
| 集計単位 | レース名「日経新春杯」の過去10回(2017〜2026年) |
| 母数 | のべ145頭(京都・芝2400m 6回83頭/中京・芝2200m 4回62頭) |
日経新春杯 過去10年(2017-2026)の全結果
直近10回の1〜3着馬です。人気と斤量に加えて、4コーナーで何番手にいたかを入れました。この列が、あとで出てくる「連対馬に共通する条件」の中心になります。
| 年 | 開催・距離 | 馬場/頭数 | 1着(人気/斤量/4角) | 2着(人気/斤量/4角) | 3着(人気/斤量/4角) | 三連単 |
| 2026 | 京都 芝2400 | 良/13頭 | ゲルチュタール 1人/56.0/2番手 | ファミリータイム 11人/55.0/1番手 | リビアングラス 9人/56.0/3番手 | 50,950円 |
| 2025 | 中京 芝2200 | 良/16頭 | ロードデルレイ 4人/57.5/6番手 | ショウナンラプンタ 3人/56.0/12番手 | マイネルエンペラー 7人/55.0/4番手 | 44,500円 |
| 2024 | 京都 芝2400 | 良/14頭 | ブローザホーン 1人/57.0/6番手 | サヴォーナ 4人/56.0/4番手 | サトノグランツ 3人/57.5/2番手 | 13,230円 |
| 2023 | 中京 芝2200 | 稍重/14頭 | ヴェルトライゼンデ 2人/59.0/4番手 | キングオブドラゴン 10人/55.0/2番手 | プラダリア 4人/56.0/10番手 | 96,330円 |
| 2022 | 中京 芝2200 | 良/16頭 | ヨーホーレイク 3人/55.0/9番手 | ステラヴェローチェ 1人/57.0/8番手 | ヤシャマル 9人/54.0/4番手 | 26,610円 |
| 2021 | 中京 芝2200 | 良/16頭 | ショウリュウイクゾ 7人/53.0/3番手 | ミスマンマミーア 13人/52.0/16番手 | クラージュゲリエ 4人/56.0/6番手 | 961,790円 |
| 2020 | 京都 芝2400 | 良/14頭 | モズベッロ 2人/52.0/6番手 | レッドレオン 5人/54.0/6番手 | エーティーラッセン 11人/51.0/1番手 | 110,680円 |
| 2019 | 京都 芝2400 | 良/16頭 | グローリーヴェイズ 1人/55.0/6番手 | ルックトゥワイス 5人/55.0/10番手 | シュペルミエール 3人/55.0/6番手 | 10,530円 |
| 2018 | 京都 芝2400 | 良/12頭 | パフォーマプロミス 1人/54.0/3番手 | ロードヴァンドール 4人/56.0/1番手 | ガンコ 7人/52.0/2番手 | 37,240円 |
| 2017 | 京都 芝2400 | 稍重/14頭 | ミッキーロケット 1人/55.0/2番手 | シャケトラ 2人/53.0/5番手 | モンドインテロ 4人/56.5/6番手 | 5,040円 |
三連単の配当は5,040円から961,790円まで開きがあります。この振れ幅が「ハンデ戦だから荒れる」という印象のもとになっているのですが、荒れた年がどこに集中しているかを見ると、話が変わります。
京都・芝2400mと中京・芝2200mは、別のレースとして見る
過去10年のうち4回は中京競馬場・芝2200mで行われています。本来の京都・芝2400mとは競馬場も距離も違うので、10年分をまとめて平均すると、どちらの傾向でもない数字ができあがってしまいます。
開催場が動いた理由は次のとおりです。2021年〜2023年は京都競馬場の整備工事に伴う移設開催で中京・芝2200m。2024年に京都・芝2400mへ戻りましたが、2025年は阪神競馬場のリフレッシュ工事に伴う開催日割の変更で再び中京・芝2200m。そして2026年に京都へ戻っています。つまり中京の4回は、いずれも工事の都合による一時的なものです。
| 項目 | 京都・芝2400m (6回・83頭) | 中京・芝2200m (4回・62頭) |
| 1番人気の成績 | 6回中5勝・連対5回 | 4回中0勝・連対1回 |
| 7番人気以下の連対率 | 2.1%(47頭中1頭) | 7.9%(38頭中3頭) |
| 4角で前・中団にいた馬の連対率 | 22.4%(49頭中11頭) | 15.8%(38頭中6頭) |
| 4角で後方にいた馬の連対率 | 2.9%(34頭中1頭) | 8.3%(24頭中2頭) |
| 外枠(7-8枠)の連対率 | 4.2%(24頭中1頭) | 12.5%(16頭中2頭) |
| 三連単配当の中央値 | 25,235円 | 70,415円 |
京都の1番人気は6回中5勝、中京は4回中0勝
京都開催6回で、1番人気は5勝しています。2017年ミッキーロケット、2018年パフォーマプロミス、2019年グローリーヴェイズ、2024年ブローザホーン、2026年ゲルチュタール。連対を外したのは2020年(モズベッロが2番人気で勝った回)の1回だけです。
一方、中京開催4回では1番人気は1勝もしていません。連対したのは2022年のステラヴェローチェ(2着)のみ。三連単961,790円という10年で最も荒れた2021年も中京開催でした。
ただし京都6回・中京4回という母数で、率として語るには足りません。ここで書けるのは「6回中5勝だった」「4回中0勝だった」という回数の事実までです。「京都なら1番人気が来る」と読み替えるには根拠が足りない、という前提でご覧ください。
連対馬20頭に共通していたのは「4角の位置」だった
枠順・脚質・斤量・人気の4つで、過去10年145頭を集計しました。いちばん大きな差がついたのは脚質(4コーナーの位置)で、開きは17.5ポイントです。
| 4角の位置 | 出走 | 1着 | 連対 | 連対率 | 複勝率 |
| 前(頭数の1/4以内) | 43頭 | 4頭 | 7頭 | 16.3% | 30.2% |
| 中団 | 44頭 | 6頭 | 10頭 | 22.7% | 29.5% |
| 後方 | 58頭 | 0頭 | 3頭 | 5.2% | 6.9% |
後方勢58頭から、過去10年で1着は1頭も出ていません。連対したのは3頭だけで、うち2頭は中京開催(2021年ミスマンマミーア、2025年ショウナンラプンタ)。京都開催に限れば34頭中1頭(2019年ルックトゥワイス)で、連対率2.9%です。
ここで1つ断っておきます。4コーナーの位置は、レースが終わらないと分からない事後のデータです。これは「このレースは前めにいた馬が残っている」という傾向の証拠であって、今回どの馬が前に行くかは別に推定しなければ分かりません。過去10年の数字がそのまま次回の予測になるわけではない、という点は押さえておいてください。
逃げ切りは10年で一度もない。ただし連対率は20.0%
4コーナーを先頭で通過した馬は10年で10頭。そのうち1着は0頭です。ただし2着が2頭(2026年ファミリータイム11番人気、2018年ロードヴァンドール4番人気)、3着が1頭(2020年エーティーラッセン11番人気)いて、連対率は20.0%と全体平均の13.8%を上回ります。
つまり「逃げ馬は勝てない」ではなく、「勝ち切る例はないが、2〜3着に粘る例はある」というのが実際のところです。2026年は11番人気のファミリータイムが逃げて2着に残り、三連単が50,950円になりました。人気を落とした逃げ馬を消し切ると、この形は取り逃がします。
4角2〜3番手だった25頭は1着4頭・連対5頭(連対率20.0%・複勝率32.0%)。先頭のすぐ後ろが、過去10年でいちばん結果につながった位置です。
枠順と斤量は、軸にするだけの差がついていない
タイトルに挙げた3つのうち、残る枠順と斤量です。結論を先に書くと、どちらも「この条件なら買える」と言えるほどの差はついていません。
枠順は並びが素直ではない。外枠だけは割引材料
| 枠順 | 出走 | 1着 | 連対 | 連対率 | 複勝率 |
| 内枠(1-3枠) | 46頭 | 2頭 | 7頭 | 15.2% | 21.7% |
| 中枠(4-6枠) | 59頭 | 7頭 | 10頭 | 16.9% | 23.7% |
| 外枠(7-8枠) | 40頭 | 1頭 | 3頭 | 7.5% | 15.0% |
内15.2% → 中16.9% → 外7.5%と、内から外へ順に落ちていく形になっていません。内と中はほぼ同じで、外だけが落ちています。こういう並びは「たまたま差が出た」可能性が残るので、軸としては採用できません。
言えるのは外枠の割引までです。とくに京都・芝2400mでは外枠24頭から連対1頭(2024年サヴォーナ)だけ。中京・芝2200mでは16頭中2頭が連対していて、ここも開催場で様子が違います。
斤量は、55.0kg以下と55.5kg以上で差が0.4ポイントしかない
| 斤量 | 出走 | 1着 | 連対 | 連対率 | 複勝率 |
| 軽ハンデ(〜55.0kg) | 88頭 | 6頭 | 12頭 | 13.6% | 19.3% |
| 標準(55.5-57.0kg) | 39頭 | 2頭 | 6頭 | 15.4% | 25.6% |
| 重ハンデ(57.5kg〜) | 18頭 | 2頭 | 2頭 | 11.1% | 16.7% |
3区分の開きは4.3ポイント。脚質の17.5ポイントとくらべると、ほとんど差がありません。55.0kg以下(88頭)の連対率13.6%に対して、55.5kg以上(57頭)は14.0%。その差は0.4ポイントです。
ハンデ戦だから斤量で有利不利が決まる、という見方は、この10年145頭のデータからは支持されません。ハンデキャッパーが能力差を斤量で埋めた結果、実際に横並びになっている、と読むこともできます。
よく言われる「定説」を、過去10年の数字で確かめる
日経新春杯には、ファンのあいだで繰り返し語られてきた見方がいくつかあります。それぞれに過去10年の数字を当てました。母数が薄くて判定できないものは、そのまま「判定できない」と書きます。
| よく言われること | 過去10年(145頭)の実際 | この記事の見方 |
| 軽ハンデが有利 | 55.0kg以下 88頭で連対率13.6%/55.5kg以上 57頭で14.0% | 差は0.4ポイント。有利とは言えない(母数は十分) |
| 52〜53kgゾーンがよく走る | 22頭中4頭が連対(18.2%)。全体平均は13.8% | 平均よりやや高いが、22頭中4頭。1頭の着順で入れ替わる範囲 |
| 51kg以下の超軽ハンデは一発ある | 7頭中連対0・3着1頭(2020年エーティーラッセン) | 10年で7頭しか出走しておらず、傾向を論じられない |
| トップハンデ(58kg以上)は苦戦 | 10頭中1着1頭・連対1頭(2023年ヴェルトライゼンデ59.0kg) | 好走例は1例のみ。母数10頭で断定はできないが、平均を上回る材料もない |
| 荒れることが前提のハンデ戦 | 1〜3番人気30頭の連対率36.7%。京都の1番人気は6回中5勝 | 上位人気は堅い。荒れているのは2〜3着 |
| 7番人気以下の伏兵が突っ込む | 85頭中連対4頭(4.7%)。京都では47頭中1頭(2.1%) | でたらめに買った場合の期待値を下回る。京都ではとくに来ていない |
ここで注意していただきたいのは、「52〜53kg」「51kg以下」「58kg以上」の3つは、10年集計しても20頭前後・7頭・10頭にしかならないという点です。この母数で「有利」「不利」と言い切ると、1頭の着順が変わっただけで結論がひっくり返ります。定説を否定するのではなく、「10年分を数えても判定できるだけのサンプルがない」というのが正確なところです。
いっぽう「軽ハンデ有利」については、55.0kg以下が88頭・55.5kg以上が57頭と母数が十分にあり、そのうえで差が0.4ポイントしかありません。ここは「効いていない」と書ける水準です。
連対した20頭は、前走どこを使っていたか
ハンデ戦では「前走で条件戦を勝ってきた上がり馬が狙い目」という言い方をよく見ます。連対した20頭の前走を1頭ずつ調べました。
| 前走のカテゴリ | 該当 | 具体例 |
| 条件戦(3勝クラス・1600万下等) | 6頭 | 2017年シャケトラ(境港特別1着)/2018年パフォーマプロミス(グレイトフルS1着)/2019年ルックトゥワイス(グレイトフルS1着)/2020年モズベッロ(グレイトフルS4着)/2020年レッドレオン(比叡S1着)/2021年ショウリュウイクゾ(関ケ原S8着) |
| 菊花賞(GI) | 5頭 | 2017年ミッキーロケット(5着)/2019年グローリーヴェイズ(5着)/2024年サヴォーナ(5着)/2025年ショウナンラプンタ(4着)/2026年ゲルチュタール(4着) |
| 中日新聞杯(GIII) | 3頭 | 2018年ロードヴァンドール(3着)/2025年ロードデルレイ(2着)/2026年ファミリータイム(7着) |
| その他の重賞・GI | 6頭 | ジャパンC3着/有馬記念4着/東京優駿7着/京都大賞典/アルゼンチン共和国杯18着/新潟牝馬S4着 |
条件戦から直行して連対した6頭は、いずれも2017年〜2021年に集中しています。2022年以降の5回では1頭も出ていません。「条件戦の上がり馬が狙い目」という見方は、過去10年の前半では当たっていましたが、近年の5回では途絶えています。
代わりに増えているのが菊花賞組です。5頭のうち3頭が2024年以降で、全員が菊花賞で4〜5着だった馬です。前年の秋にGIで掲示板前後まで走った4歳馬が、明けて1月のGIIに出てくる形になります。
過去10年から言える「連対馬の条件」
ここまでの数字をひとつにまとめます。「4コーナーで中団より前」と「6番人気以内」の2つを掛け合わせると、連対馬20頭のうち14頭が入ります。
- 4角で前・中団 × 6番人気以内=44頭中14頭が連対(31.8%)。1着は10頭中9頭がここから
- どちらか一方でも外れる=101頭中6頭(5.9%)
- 4角で後方 × 7番人気以下=42頭中1頭(2.4%)。京都開催の24頭からは1頭も出ていない
条件から外れて連対した6頭の内訳です。人気を外したのは4頭で、11番人気で逃げ粘った2026年ファミリータイム(4角1番手)、10番人気の2023年キングオブドラゴン(同2番手)、7番人気の2021年ショウリュウイクゾ(同3番手)、13番人気の2021年ミスマンマミーア(同16番手)。このうち3頭は4コーナーで3番手以内にいました。最後方から届いたミスマンマミーアが、過去10年で唯一の例です。残る2頭は人気こそ範囲内だったものの後方から差した2019年ルックトゥワイス(5番人気)・2025年ショウナンラプンタ(3番人気)で、いずれも2着どまりです。
よくある質問
Q. 京都開催と中京開催のデータは、混ぜて見てよいのですか。
A. 分けて見ることをおすすめします。競馬場も距離(2400mと2200m)も違うためです。本記事では全10回の数字と、京都6回・中京4回に分けた数字の両方を載せています。ただし分けると母数がそれぞれ83頭・62頭まで減り、区分によっては15頭を割ります。15頭未満の区分は率として扱わず、表から外すか実数で書いています。
Q. 過去10年で馬場状態が結果に影響していましたか。
A. 10回のうち8回が良馬場、稍重が2回(2017年・2023年)です。稍重の2回だけを取り出しても28頭しかなく、馬場状態別に傾向を出せる母数がありません。そのため本記事では馬場別の集計を出していません。代わりに、実際にどの位置にいた馬が残ったかを4コーナー位置の集計として掲載しています。
Q. なぜ2021年〜2023年と2025年は中京開催だったのですか。
A. 2021年〜2023年は京都競馬場の整備工事に伴う移設開催、2025年は阪神競馬場のリフレッシュ工事に伴う開催日割の変更によるものです。いずれも工事に起因する一時的な変更で、2024年と2026年は京都・芝2400mで行われています。
Q. この記事のデータはいつ更新されますか。
A. 毎年のレース終了後に最新回を加え、10年ぶんを取り直して更新します。本記事は2026年1月18日の第73回までを含んでいます。
参考情報
- 各年のレース結果・出走馬の競走成績=netkeiba データベース(2017年〜2026年の日経新春杯 全10回・のべ145頭を集計)
- 施行条件・コース=JRA 今週の注目レース「日経新春杯」歴史・コース
- 創設の経緯・開催場の変更理由=日経新春杯 – Wikipedia
免責事項
本記事は公開データの集計に基づく過去の傾向分析です。将来の結果を保証するものではありません。馬券の購入はご自身の判断と責任でお願いします。
また、記事中で「52〜53kg」「51kg以下」「58kg以上」など母数が20頭前後を下回る区分については、10年分を集計しても数字が安定しません。これらは参考値として掲載しており、そこから有利・不利を結論づけていません。4コーナーの通過順位はレース終了後にしか判明しない事後のデータである点も、あわせてご留意ください。

