オールカマー 過去10年データ|連対を分けたのは年齢とキャリア、斤量ではない

オールカマー 過去10年データ

オールカマーは、9月に中山競馬場の芝2200mで行われる3歳以上のGIIです。1着馬には天皇賞(秋)の優先出走権が与えられ、秋のGI戦線に向かう馬が最初に顔を合わせる一戦になります。このページは2016年から2025年までの直近10回・延べ130頭を1頭ずつ数え直し、さらに130頭全部の前走・前走からの間隔・キャリア(それまでの出走数)・馬体重まで取って、どの条件で結果が分かれていたのかを並べたものです。

数字はnetkeibaの過去レース結果から機械的に集計しました。指標は連対率(2着以内に入った割合)で統一し、複勝率(3着以内)を参考として併記しています。どの区分も「延べ何頭のうち何頭か」を必ず付け、15頭に満たない区分は判断には使わず参考値として残しました。

この記事でわかること

  • 130頭を数えて差が出た条件(年齢・キャリア)と、出なかった条件(斤量・枠順・馬体重)
  • 4歳が26頭中9頭で34.6%、6歳以上は57頭中4頭で7.0%だったこと
  • 「牝馬が強い」「軽い斤量が有利」「前走GI組が強い」が、いずれも別の理由の言い換えだったこと
  • 前走で大敗した馬が巻き返せるのは、どのクラスで負けてきた馬なのか
  • 同じ中山芝2200mのオープン級409頭で裏を取ると、後方の馬がどれだけ届いていないか
  • オールカマーの上位馬が、同じ年の秋のGIでどこまで結果を出しているか

目次

結論|過去10年が示す「残す条件」と「外す条件」

過去10年(2016〜2025年)の130頭で最も大きな差が出たのは年齢でした。4歳の26頭は連対率34.6%、6歳以上の57頭は7.0%で、開きは27.6ポイントあります。先に結論を置きます。

残す条件過去10年の数字
4歳26頭中9頭が連対(34.6%/複勝率46.2%)
キャリア10戦以下24頭中7頭が連対(29.2%/複勝率37.5%)
前走がGI37頭中10頭が連対(27.0%/複勝率35.1%)
4コーナーで中団より前83頭中16頭が連対(19.3%/複勝率28.9%)
2016〜2025年の10回・延べ130頭。netkeibaの過去レース結果から集計。キャリアはオールカマーより前の出走数
外す条件過去10年の数字
7番人気以下70頭中1頭(1.4%)。7〜9番人気は30頭中0頭
5歳以上でキャリア16戦以上74頭中5頭(6.8%)
6歳以上57頭中4頭(7.0%)。10年で勝ち馬は0頭
前走がGII・GIIIで6着以下34頭中2頭(5.9%)
4コーナーで後方47頭中4頭(8.5%)
同上。4コーナーの位置はレース後に分かる数字なので、事前には前走の通過順から推定する

この「外す条件」のうち上の2つ、つまり7番人気以下と、5歳以上でキャリア16戦以上の馬を外すだけで、130頭は39頭まで減ります。その39頭の中に、連対した20頭のうち15頭が残りました(連対率38.5%)。外した91頭から連対したのは5頭です。各年に残るのは1〜6頭、10年平均で3.9頭なので、条件を通すだけでその年の馬連ボックスが組める頭数まで絞れる計算になります。

人気については、軸に使うのではなく買うかどうかを決める材料として見ます。1〜3番人気が30頭中12頭で40.0%、1番人気に限れば10頭中6頭で60.0%です。一方で7番人気以下は70頭が走って連対1頭(2024年アウスヴァールの10番人気2着)しかありません。人気薄から入る形は過去10年の並びとは噛み合いません。


連対の中心は4歳|6歳以上は10年で4頭、しかも全部2着

連対した20頭のうち9頭が4歳でした。出走したのは26頭なので連対率34.6%、複勝率は46.2%です。反対に6歳以上は57頭が走って連対4頭(7.0%)、勝ち馬は10年で1頭も出ていません。

年齢頭数連対連対率複勝率勝ち馬
4歳26頭9頭34.6%46.2%6頭
5歳47頭7頭14.9%25.5%4頭
6歳以上57頭4頭7.0%10.5%0頭
3歳も出走できるが、2016〜2025年の130頭に3歳は1頭もいない(同時期にセントライト記念・神戸新聞杯があるため)
年齢別の連対率(10回・延べ130頭)0%10%20%30%40%34.6%14.9%7.0%4歳26頭中9頭5歳47頭中7頭6歳以上57頭中4頭

「4歳が強く見えるのは、単に4歳に人気馬が多いからではないか」という疑いは、人気を揃えれば確かめられます。1〜6番人気の60頭だけで数えても、4歳は20頭中9頭で45.0%、5歳は27頭中7頭で25.9%。19.1ポイントの差が残りました(6歳以上は13頭しかいないので参考値です)。人気の裏返しではありません。

キャリアは年齢とは別に効いている

オールカマーより前の出走数で割ると、10戦以下の24頭が29.2%、21戦以上の54頭が7.4%です。ここで「年齢が上なら出走数も多いのだから同じことを言っているだけでは」となりますが、5歳以上の104頭だけで数え直しても、15戦以下の30頭が20.0%、16戦以上の74頭が6.8%で13.2ポイントの差が残ります。年齢とキャリアは別々に効いています。

キャリア全130頭5歳以上の104頭だけ
10戦以下24頭中7頭 29.2%15戦以下:30頭中6頭 20.0%
11〜20戦52頭中9頭 17.3%
21戦以上54頭中4頭 7.4%16戦以上:74頭中5頭 6.8%
キャリアはオールカマーより前の出走数。右列は年齢の重なりを外すため5歳以上に限定して数え直したもの

4歳は前走の格を問わないが、5歳以上は問われる

年齢と前走の格を掛け合わせると、もう一段はっきりします。5歳以上では前走がGIだった29頭が20.7%、GII・GIIIだった57頭が7.0%と3倍近い差がつきます。ところが4歳は前走GIが8頭中4頭、GII・GIIIが14頭中5頭で、どちらからでも来ています(いずれも15頭未満なので参考値です)。

前走4歳26頭5歳以上104頭
GI8頭中4頭 50.0%(参考値)29頭中6頭 20.7%
GII・GIII14頭中5頭 35.7%(参考値)57頭中4頭 7.0%
重賞以外4頭中0頭(参考値)18頭中1頭 5.6%
4歳の連対9頭の前走は、GIが4頭・GII・GIIIが5頭で割れている

実際に連対した4歳9頭を並べると、顔ぶれの幅が見えます。

馬名人気前走キャリア
20251着レガレイラ(牝)1番人気宝塚記念11着9戦
20241着レーベンスティール(牡)1番人気エプソムC1着9戦
20231着ローシャムパーク(牡)4番人気函館記念1着9戦
20221着ジェラルディーナ(牝)5番人気小倉記念3着14戦
20211着ウインマリリン(牝)2番人気天皇賞(春)5着10戦
20212着ウインキートス(牝)5番人気札幌記念9着17戦
20202着カレンブーケドール(牝)2番人気京都記念2着10戦
20181着レイデオロ(牡)1番人気ドバイシーマクラシック4着9戦
20182着アルアイン(牡)3番人気クイーンエリザベス2世C5着11戦
4歳が連対したのは10回中7回。2016年・2017年・2019年は4歳の連対がなかった

6歳以上で連対した4頭も挙げておきます。2025年ドゥラドーレス(2着・キャリア11戦)、2024年アウスヴァール(2着・26戦)、2017年ステファノス(2着・23戦)、2016年サトノノブレス(2着・26戦)。4頭とも2着どまりで、勝ち切った馬はいません。


「牝馬が強い」の正体は4歳牝馬

牝馬は20頭中7頭が連対して35.0%、牡馬は100頭中12頭で12.0%。23.0ポイントの差があり、10回のうち5回は牝馬が勝っています。ただしこの数字をそのまま「牝馬だから買う」に変えるのは早すぎます。連対した牝馬7頭のうち5頭が4歳牝馬だからです。

区分全130頭4歳だけ5歳以上だけ
100頭中12頭 12.0%17頭中4頭 23.5%(参考値)83頭中8頭 9.6%
20頭中7頭 35.0%7頭中5頭 71.4%(参考値)13頭中2頭 15.4%(参考値)
セン10頭中1頭 10.0%(参考値)2頭中0頭(参考値)8頭中1頭(参考値)
4歳と5歳以上に割ると、どちらの牝馬も15頭に届かない。性別だけで判定できる母数ではない

5歳以上に限れば牡9.6%に対し牝15.4%で、しかも牝馬は13頭しかいないので判定できません。4歳に限れば牝馬7頭中5頭ですが、これも7頭です。つまり過去10年の数字から言えるのは「牝馬が強い」ではなく、「強かったのは4歳牝馬で、そのうしろにあるのは年齢の差」という読み方までです。別定で牝馬が2kg軽いことも、この5頭が上位に来た一因として見ておく必要があります。

馬名性齢斤量人気前走
20251着レガレイラ牝457.0kg1番人気宝塚記念11着
20254着フェアエールング牝555.0kg8番人気クイーンS
20255着ホーエリート牝455.0kg3番人気目黒記念
202412着サリエラ牝555.0kg4番人気天皇賞(春)
20234着マリアエレーナ牝555.0kg10番人気小倉記念
20236着ジェラルディーナ牝556.0kg3番人気宝塚記念
20239着ウインマリリン牝657.0kg9番人気札幌記念
20221着ジェラルディーナ牝454.0kg5番人気小倉記念3着
20223着ウインキートス牝554.0kg7番人気目黒記念
20226着デアリングタクト牝554.0kg1番人気宝塚記念
20211着ウインマリリン牝455.0kg2番人気天皇賞(春)5着
20212着ウインキートス牝455.0kg5番人気札幌記念9着
20214着レイパパレ牝456.0kg1番人気宝塚記念
20217着ランブリングアレー牝554.0kg4番人気ヴィクトリアマイル
202110着ロザムール牝554.0kg9番人気七夕賞
20201着センテリュオ牝554.0kg5番人気マーメイドS2着
20202着カレンブーケドール牝454.0kg2番人気京都記念2着
20171着ルージュバック牝555.0kg5番人気ヴィクトリアマイル10着
20178着デニムアンドルビー牝754.0kg8番人気鳴尾記念
20165着マリアライト牝556.0kg2番人気宝塚記念
2016〜2025年に出走した牝馬20頭のすべて。2018年と2019年は牝馬の出走が1頭もなかった

「軽い斤量が有利」も牝馬の2kg減|牡馬だけで見ると逆になる

130頭をそのまま斤量で割ると、55.0kg以下の15頭が40.0%で最も高く出ます。ところがこの15頭のうち14頭は牝馬です。オールカマーは別定で牝馬が2kg軽いので、「軽い斤量の馬」と「牝馬」がほとんど同じ集団を指してしまいます。

そこで牡馬100頭だけで数え直すと、並びが逆になります。56.0kg以下の58頭が8.6%、57.0kgの36頭が13.9%、57.5kg以上の6頭が33.3%。重いほうが下がるどころか上がっています。

斤量帯別の連対率(牡馬100頭に限定)0%10%20%30%40%8.6%13.9%33.3%56.0kg以下58頭中5頭57.0kg36頭中5頭57.5kg以上6頭中2頭(参考値)

ただしこれを「重い斤量が有利」と読むのも間違いです。別定の加増はGI・GIIの勝ち鞍に対して課されるので、重い斤量を背負っている馬は実績のある馬です。57.5kg以上の2頭は2016年ゴールドアクター(58.0kg・1着/前年の有馬記念勝ち馬)と2023年タイトルホルダー(58.0kg・2着)で、斤量が味方したのではなく、加増されてもなお地力が上だったという話になります。6頭しかいないので参考値です。

斤量全130頭牡馬100頭だけ
55.0kg以下15頭中6頭 40.0%(うち14頭が牝馬)
55.5〜56.0kg66頭中5頭 7.6%58頭中5頭 8.6%
56.5〜57.0kg43頭中7頭 16.3%36頭中5頭 13.9%
57.5kg以上6頭中2頭 33.3%(参考値)6頭中2頭 33.3%(参考値)
負担重量は別定。2023年までは4歳以上56.0kg・牝54.0kg、2024年からは57.0kg・牝55.0kgが基準で、そこにGI・GIIの実績に応じた加増が乗る

斤量の数字は年によって基準そのものが動いています。2024年のJRAの負担重量改定で1kg引き上げられたので、56.0kgと57.0kgの比較は「馬の重い・軽い」ではなく「年の違い」を多く含みます。斤量を選別に使う場面はない、と考えておくのが安全です。


前走の着順より「どのクラスで負けてきたか」

前走の着順では、ほとんど差がつきません。前走1着の16頭が25.0%、前走6着以下(競走中止を含む)の67頭が13.4%。連対した20頭のうち9頭が前走6着以下です。夏を叩いて負けてきた馬が普通に巻き返しています。

前走の着順頭数連対連対率複勝率
1着16頭4頭25.0%31.2%
2〜3着23頭4頭17.4%30.4%
4〜5着24頭3頭12.5%25.0%
6着以下(競走中止を含む)67頭9頭13.4%17.9%
前走1着と前走6着以下の開きは11.6ポイントしかない

ただし「前走で負けていても関係ない」と丸めてしまうと危険です。その67頭を前走のクラスで割ると、はっきり分かれます。

前走6着以下の67頭を割ると頭数連対連対率
前走がGI21頭7頭33.3%
前走がGII・GIII34頭2頭5.9%
前走が重賞以外12頭0頭0.0%(参考値)
1〜6番人気だった馬18頭8頭44.4%
7番人気以下だった馬49頭1頭2.0%
巻き返しているのは「春のGIで負けてきた馬」で、GII・GIIIで負けた馬は巻き返していない

連対した9頭を並べると、この差がそのまま顔ぶれに出ています。2025年レガレイラ(宝塚記念11着→1着)、2019年スティッフェリオ(宝塚記念7着→1着)、2017年ルージュバック(ヴィクトリアマイル10着→1着)、2016年ゴールドアクター(天皇賞・春12着→1着)、2016年サトノノブレス(宝塚記念8着→2着)、2017年ステファノス(安田記念7着→2着)、2023年タイトルホルダー(天皇賞・春で競走中止→2着)。GII・GIIIで負けてから巻き返したのは2024年アウスヴァール(札幌記念7着→2着)と2021年ウインキートス(札幌記念9着→2着)の2頭だけです。

前走のクラスそのものは、人気に織り込まれている部分が大きい点にも触れておきます。全体では前走GIが27.0%、GII・GIIIが12.7%と差がありますが、1〜6番人気に揃えると前走GI 34.5%(29頭)、GII・GIII 29.6%(27頭)でほとんど差が消えます。前走の格は、オッズを見る前の目安として使うのが実際的です。

間隔と馬体重では差がつかない

秋の始動戦なので休み明けの取り扱いが気になりますが、前走からの間隔では差がつきませんでした。22〜60日が28頭中4頭で14.3%、61〜110日が42頭中8頭で19.0%、111日以上が49頭中8頭で16.3%です(中2週以内は11頭しかおらず参考値、連対は0頭)。春のGIから直行しても、夏の重賞を叩いてきても、どちらも来ています。

前走比の馬体重頭数連対連対率
9kg以上減13頭2頭15.4%(参考値)
1〜8kg減45頭7頭15.6%
増減なし22頭3頭13.6%
1〜8kg増32頭6頭18.8%
9kg以上増18頭2頭11.1%
15頭以上の区分だけで見れば開きは5.2ポイント。休み明けで増えていても減っていても差は出ていない

当日の馬体重では460〜489kgの57頭が22.8%、490〜519kgの46頭が10.9%と差が出ますが、軽い側に牝馬が寄っているため、これも性別との重なりです。単独では使えません。


枠順は10回のブレ、後方不利はコースの性質

オールカマーの130頭だけを見ると、内1〜3枠が40頭中11頭で27.5%、中4〜6枠と外7〜8枠がともに10.0%。17.5ポイントの開きがあり、いかにも内枠有利に見えます。しかしこれは10回ぶんのブレで説明がつく範囲でした。

母数を替えて確かめます。同じ中山芝2200mのオープン級(オールカマー・セントライト記念・アメリカジョッキーカップチャレンジカップ)2016〜2025年の30レース・延べ409頭では、内17.9%・中14.4%・外11.9%で開きは6.0ポイント。人気を1〜6番人気に揃えた179頭では3.3ポイントまで縮み、オールカマーを除いた279頭では3.6ポイントです。枠順は軸に使えません。

オールカマー130頭中山芝2200mオープン級409頭同・1〜6番人気179頭
内(1〜3枠)40頭中11頭 27.5%123頭中22頭 17.9%60頭中19頭 31.7%
中(4〜6枠)50頭中5頭 10.0%160頭中23頭 14.4%74頭中21頭 28.4%
外(7〜8枠)40頭中4頭 10.0%126頭中15頭 11.9%45頭中13頭 28.9%
開き17.5pt6.0pt3.3pt
母数を4倍近くに増やすと差が縮む=オールカマー単体の17.5ptは偶然の並びとして扱う

一方、4コーナーでの位置は逆でした。オールカマーの130頭で前38頭が26.3%・後方47頭が8.5%。同じ409頭で数えても前24.3%・中団17.9%・後方4.0%で、人気を1〜6番人気に揃えた179頭でも前38.5%・中団29.5%・後方13.9%と24.6ポイントの差が残ります。中山芝2200mで後方から届きにくいのは、コースの性質として言い切ってよい数字です。

4コーナーの位置別 連対率(中山芝2200mオープン級30レース)全409頭1〜6番人気の179頭0%10%20%30%40%24.3%38.5%17.9%29.5%4.0%13.9%前(4角で頭数の1/4以内)中団後方

中山芝2200mは外回りコースで、スタンド前の正面から発走してコーナーを4つ回り、最後の直線は310mしかありません。しかも直線には急坂があります。オールカマーの10回の馬場は良が9回、稍重が1回で、極端に時計のかかる年は続いていません。上がり3ハロン最速の馬が連対したのは10回中6回で、末脚だけで押し切れる形ではないことも同じ方向を向いています。

ひとつ断っておくと、4コーナーの位置はレースが終わってからしか分からない数字です。「このコースは前が有利だった」の証拠にはなりますが、「今回どの馬が前に行くか」は別の推定になります。事前に見るなら、出馬表の馬柱から各馬の近5走の4コーナー通過順を拾い、今回も4コーナーを5番手以内で回れそうな馬を先に選び出す形が実際的です。


勝ち馬は秋のGIへどうつながるか

オールカマーは2014年から1着馬に天皇賞(秋)の優先出走権が与えられています。過去10年の勝ち馬10頭は、全頭が同じ年の秋のGIに出走しました。ただし勝ち切ったのは3頭で、そのうち2頭はエリザベス女王杯です。

オールカマーでの着順同年秋のGIに出走秋GIで3着以内秋GI優勝
1着(10頭)10頭4頭3頭
2着(10頭)6頭1頭0頭
3着(10頭)5頭2頭1頭
4〜5着(20頭)11頭0頭0頭
同一年の9月以降のGI(天皇賞・秋/ジャパンC/有馬記念/エリザベス女王杯/マイルCS/香港国際競走など)での成績

秋GIを勝った3頭は、2018年レイデオロ(天皇賞・秋)、2022年ジェラルディーナ(エリザベス女王杯)、2025年レガレイラ(エリザベス女王杯)。あとの2頭はいずれも4歳牝馬で、オールカマーで背負った斤量の軽さがそのまま次につながった形です。3着からは2021年グローリーヴェイズが香港ヴァーズを勝っています。

天皇賞(秋)に直行した馬は10年で17頭いますが、掲示板に載ったのはレイデオロ(1着)、2018年アルアイン(4着)、2023年ガイアフォース(5着)の3頭だけで、残りは8着以下でした。優先出走権のあるレースではありますが、ここを勝ったからといって天皇賞(秋)でそのまま買える、という並びにはなっていません。そしてオールカマーで4〜5着だった20頭からは、同年の秋GIで3着以内に入った馬が1頭も出ていません。


オールカマーとはどんなレースか|基本情報と過去10年の全結果

レース名産経賞オールカマー(GII)
施行場・コース中山競馬場 芝2200m(右・外回り)
出走資格サラ系3歳以上(国際・指定)/1着馬に天皇賞(秋)の優先出走権
負担重量別定(4歳以上57.0kg・牝馬2kg減。2023年までは56.0kg・牝54.0kg。GI・GIIの実績に応じた加増あり)
時期・発走9月(4回中山7日目)/15時45分
1着賞金6,700万円(2025年)
近年の出走頭数9〜17頭(10回の平均13.0頭)
馬場・勝ちタイム良9回・稍重1回/2分10秒2〜2分15秒5
集計の単位と母数オールカマー 2016〜2025年の10回・延べ130頭
補助的に足した集計中山芝2200mのオープン級30レース・延べ409頭(セントライト記念・アメリカジョッキーカップチャレンジカップを含む)
netkeibaの過去レース結果およびJRAの競走条件から作成(2026年8月時点)

1955年の創設で、名前のとおり「すべての挑戦者」に門戸を開いたレースとして始まりました。1984年から芝2200mになり、1995年にGIIへ格上げ。現在は3歳以上の混合戦で、地方競馬所属馬と外国調教馬にも出走枠があります。ただし過去10年の130頭に3歳は1頭もいません。同じ時期に3歳限定のセントライト記念と神戸新聞杯があるためです。

集計の前提として、2016年から2025年までの10回はすべて中山・芝2200m・3歳以上オープン・別定・発走15時45分で行われています。条件が変わっていないので、年をまたいでそのまま数えられます。施行日は例年9月の第4日曜で、2025年は9月21日でした。ひとつだけ注意点があります。2014年は中山競馬場の改修のため新潟・芝2200m(左回り)で行われました。この年は直近10回に入らないので本記事の集計には含めていませんが、10年より前まで遡って数字を作るときは、コースの違う年が混ざることになります。

頭数1着(人気/前走)2着(人気/前走)3着(人気)馬連
202511頭レガレイラ 牝4(1番人気/宝塚記念11着)ドゥラドーレス 牡6(2番人気/七夕賞2着)ヨーホーレイク(4番人気)680円
202415頭レーベンスティール 牡4(1番人気/エプソムC1着)アウスヴァール セ6(10番人気/札幌記念7着)リカンカブール(12番人気)3,470円
202315頭ローシャムパーク 牡4(4番人気/函館記念1着)タイトルホルダー 牡5(1番人気/天皇賞・春 競走中止)ゼッフィーロ(7番人気)1,020円
202213頭ジェラルディーナ 牝4(5番人気/小倉記念3着)ロバートソンキー 牡5(6番人気/日本海S1着)ウインキートス(7番人気)10,970円
202116頭ウインマリリン 牝4(2番人気/天皇賞・春5着)ウインキートス 牝4(5番人気/札幌記念9着)グローリーヴェイズ(3番人気)1,980円
20209頭センテリュオ 牝5(5番人気/マーメイドS2着)カレンブーケドール 牝4(2番人気/京都記念2着)ステイフーリッシュ(3番人気)1,850円
201910頭スティッフェリオ 牡5(4番人気/宝塚記念7着)ミッキースワロー 牡5(3番人気/七夕賞1着)グレイル(6番人気)2,240円
201812頭レイデオロ 牡4(1番人気/ドバイシーマクラシック4着)アルアイン 牡4(3番人気/クイーンエリザベス2世C5着)ダンビュライト(2番人気)490円
201717頭ルージュバック 牝5(5番人気/ヴィクトリアマイル10着)ステファノス 牡6(1番人気/安田記念7着)タンタアレグリア(3番人気)1,700円
201612頭ゴールドアクター 牡5(1番人気/天皇賞・春12着)サトノノブレス 牡6(3番人気/宝塚記念8着)ツクバアズマオー(6番人気)840円
馬連はJRAの公式払戻。10回中7回が2,300円以下で、最も荒れた2022年でも10,970円

表を縦に見ると、勝ち馬10頭のうち6頭が4歳、残る4頭が5歳です。牝馬が5回勝っていて、内訳は4歳が3回・5歳が2回です。同じ中山芝2200mで行われる3歳限定戦の傾向はセントライト記念 過去10年データに、同じ「4歳が中心」という並びが出ている秋の別路線についてはアルゼンチン共和国杯 過去10年データにまとめています。


よくある質問

Q. オールカマーの過去10年で、最も差が出た条件は何ですか。
A. 年齢です。4歳は26頭中9頭が2着以内で34.6%、6歳以上は57頭中4頭で7.0%でした。6歳以上の勝ち馬は10年で0頭です。

Q. 牝馬は強いのですか。
A. 20頭中7頭が連対して35.0%と高いのですが、連対した7頭のうち5頭が4歳牝馬です。5歳以上の牝馬は13頭しかおらず判定できません。性別そのものというより、4歳であることが効いていると読むのが妥当です。

Q. 斤量の軽い馬が有利ですか。
A. 全体では55.0kg以下が40.0%ですが、その15頭のうち14頭は牝馬です。牡馬だけで数えると56.0kg以下が8.6%、57.0kgが13.9%で、むしろ重い側のほうが上でした。

Q. 前走で大敗した馬は買えますか。
A. 前走6着以下(競走中止を含む)の67頭から9頭が連対しています。ただし内訳は前走GIが21頭中7頭で33.3%、前走GII・GIIIは34頭中2頭で5.9%。巻き返しているのは春のGIで負けてきた馬です。

Q. 人気薄の一発はありますか。
A. 7番人気以下は70頭が走って連対1頭(1.4%)。2024年に10番人気のアウスヴァールが2着に入ったのが唯一の例です。

Q. オールカマーの勝ち馬は天皇賞(秋)で買えますか。
A. 勝ち馬10頭は全頭が同年の秋GIへ向かいましたが、天皇賞(秋)を勝ったのは2018年レイデオロだけです。天皇賞(秋)へ直行した17頭のうち掲示板に載ったのは3頭でした。


参考情報

免責事項

本記事は公開データの集計に基づくものです。的中を保証するものではありません。馬券の購入は自己責任でお願いします。過去の傾向は将来の結果を保証するものではありません。また本文中で「参考値」と記した区分は母数が15頭に満たないため、傾向の判断には用いていません。施行日・出走条件・負担重量は変更されることがあるため、最新の情報はJRAの発表でご確認ください。

更新履歴

2026年8月14日 公開(2016〜2025年の10回・延べ130頭で集計)。以後、毎年レース終了後に最新年を加えて更新します。

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この記事を書いた人

競馬予想ロジック研究家。現役のエンジニアであり、会社を経営している。データの集計と分析、判断ルールの設計を本業とする。2000年代前半に独自の競馬予想ロジックを組み立て、年間を通して収支をプラスに保つ取り組みをおよそ10年にわたり続けていたと本人は語る。馬券の払戻金に対する課税の扱いが問題になった2010年代前半に第一線を退き、現在は馬券を購入していない。1レースごとの的中よりも「買うレースを選ぶ基準」のほうを重視する立場をとってきた。集計は編集部とAIが担い、判断ルールの設計と最終的な選出は本人が行っている。過去の経緯であり、将来の結果を保証するものではない。

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