オールカマー 過去10年データ|連対を分けたのは年齢とキャリア、2026年の波乱も検証

オールカマー 過去10年データ|連対を分けたのは年齢とキャリア、2026年の波乱も検証

オールカマーは、9月に中山競馬場の芝2200mで行われる3歳以上のGIIです。1着馬には天皇賞(秋)の優先出走権が与えられ、秋のGI戦線に向かう馬が最初に顔を合わせる一戦になります。このページは2017〜2026年の直近10回・延べ131頭について、前走・間隔・キャリア(それまでの出走数)・馬体重まで取り、どの条件で結果が分かれたかを並べたものです。

2026年10月10日に2026年の結果を加えて集計し直しました。指標は連対率(2着以内の割合)で、複勝率(3着以内)を併記します。15頭に満たない区分は参考値として残しました。

この記事でわかること

  • 131頭を数えて差が出た条件(年齢・キャリア)と、出なかった条件(斤量・枠順・馬体重)
  • 4歳が27頭中9頭で33.3%、6歳以上は55頭中4頭で7.3%だったこと
  • 2026年の9番人気・7歳馬の逃げ切りで、どの傾向が崩れ、どれが残ったか
  • 「牝馬が強い」「軽い斤量が有利」が、いずれも別の理由の言い換えだったこと
  • 前走で大敗した馬が巻き返せるのは、どのクラスで負けてきた馬なのか
  • 中山芝2200mのオープン級415頭で裏を取ると、後方の馬がどれだけ届いていないか
  • 上位馬が同じ年の秋のGIでどこまで結果を出しているか

目次

結論|過去10年が示す「残す条件」と「外す条件」

過去10年で最も差が出たのは年齢で、4歳は連対率33.3%、6歳以上は7.3%でした。

開きは26.0ポイントです。残す条件と外す条件を先に表で置きます。

残す条件過去10年の数字
4歳27頭中9頭が連対(33.3%/複勝率48.1%)
キャリア10戦以下24頭中7頭が連対(29.2%/複勝率37.5%)
前走がGI34頭中8頭が連対(23.5%/複勝率32.4%)
4コーナーで中団より前82頭中16頭が連対(19.5%/複勝率29.3%)
2017〜2026年の10回・延べ131頭。netkeibaの過去レース結果から集計。キャリアはオールカマーより前の出走数
外す条件過去10年の数字
7番人気以下71頭中2頭(2.8%)。7〜9番人気の連対は2026年の勝ち馬1頭だけ
5歳以上でキャリア16戦以上73頭中6頭(8.2%)
6歳以上55頭中4頭(7.3%)。勝ち馬は2026年の1頭だけ
前走がGII・GIIIで6着以下32頭中2頭(6.2%)
4コーナーで後方49頭中4頭(8.2%)
同上。4コーナーの位置はレース後に分かる数字なので、事前には前走の通過順から推定する

この「外す条件」のうち上の2つ、つまり7番人気以下と、5歳以上でキャリア16戦以上の馬を外すと、131頭は41頭まで減ります。その41頭から連対が14頭出ていて、連対率は34.1%(複勝率48.8%)です。外した90頭から連対したのは6頭(6.7%)でした。各年に残るのは3〜6頭、10年平均で4.1頭です。

ただし2026年は、この絞り方が外れました。1着メイショウゲキリンは9番人気の7歳でキャリア32戦、2着キャントウェイトは5歳でキャリア22戦と、1・2着がどちらも外した側から出ています。2017〜2025年の9回では連対18頭のうち14頭が残した側にいましたが、2026年は残した3頭の最先着が3着でした。条件は1年の結果に合わせて作り直さず、外れた年があることも含めて残しています。

オッズの面では、1〜3番人気が30頭中10頭で33.3%、1番人気は10頭中5頭(勝ち3頭)が連対しています。7番人気以下の連対は71頭中2頭で、2024年アウスヴァール(10番人気2着)と2026年メイショウゲキリン(9番人気1着)です。


2026年はメイショウゲキリンの逃げ切り|崩れた傾向と崩れなかった傾向

2026年は9番人気・7歳のメイショウゲキリンが雨の重馬場を逃げ切り、馬連は30,940円でした。

9月20日(4回中山6日目)の13頭立て、雨・重馬場。メイショウゲキリンは4つのコーナーをすべて先頭で回り、2分16秒9で押し切りました。6番人気のキャントウェイトがメンバー最速の上がり36.5秒で追い込み、ハナ差の2着。3番人気の4歳牝馬ヴーレヴーが1と3/4馬身差の3着、1番人気のレガレイラ(牝5)は4着でした。

着順馬名性齢斤量人気4角上がり3F
1着メイショウゲキリン牡757.0kg9番人気1番手37.1
2着キャントウェイト牡557.0kg6番人気5番手36.5
3着ヴーレヴー牝455.0kg3番人気3番手37.1
4着レガレイラ牝556.0kg1番人気3番手37.3
2026年9月20日 中山11R・芝2200m・13頭・雨・重。着順・人気・上がりはJRAの成績ページと照合
券種払戻
単勝4,450円
複勝820円/340円/200円
馬連30,940円
馬単73,450円
3連複29,440円
3連単383,690円
JRAの2026年成績ページの払戻金。馬連30,940円は2017年以降の10回で最も高い

勝ったメイショウゲキリンは、前走が障害3歳以上未勝利の6着(間隔28日)という珍しい臨戦でした。キャリアはオールカマーの時点で32戦です。2着キャントウェイトの前走は札幌の3勝クラスで1着でした。過去10年の表で見ると、2頭とも「前走が重賞以外」の区分に入ります。

過去10年の傾向2026年の結果判定
6歳以上は勝てない(2017〜2025年の9回で勝ち0頭)7歳のメイショウゲキリンが1着崩れた
7番人気以下はほぼ来ない(9回で連対1頭)9番人気が1着崩れた
外す2条件で残した馬から連対が出る1・2着とも外した側。残した3頭の最先着は3着崩れた
4コーナーで前にいる馬が残る1着は逃げ、3着は3番手沿った
上がり最速の馬が連対する最速36.5秒のキャントウェイトが2着沿った
4歳が上位に来る唯一の4歳ヴーレヴーが3着(連対は逃した)半分沿った
判定は2017〜2025年の9回の並びと比べたもの

崩れた3つで、6歳以上の勝ち馬は0頭から1頭に、外す2条件で外した側の連対は4頭から6頭に増えました。

重馬場は2017年以降の10回で2026年が初めてで、勝ちタイム2分16秒9も10回で最も遅い時計です。重馬場の年が1回しかないので、馬場がどれだけ結果に効いたのかを数字で切り分けることはできません。来年以降に良馬場で同じことが起きるかどうかで、2026年が例外だったのかが分かります。


連対の中心は4歳|6歳以上の勝ち馬は10年で1頭

連対20頭のうち9頭が4歳で、4歳は27頭中9頭(33.3%)が2着以内に入りました。

複勝率は48.1%で、4歳の勝ち馬は6頭います。反対に6歳以上は55頭が走って連対4頭(7.3%)、勝ち馬は2026年のメイショウゲキリン1頭だけです。

年齢頭数連対連対率複勝率勝ち馬
4歳27頭9頭33.3%48.1%6頭
5歳49頭7頭14.3%22.4%3頭
6歳以上55頭4頭7.3%10.9%1頭
3歳も出走できるが、2017〜2026年の131頭に3歳は1頭もいない(同時期にセントライト記念・神戸新聞杯があるため)
年齢別の連対率(10回・延べ131頭)0%10%20%30%40%33.3%4歳27頭中9頭14.3%5歳49頭中7頭7.3%6歳以上55頭中4頭

人気の偏りかどうかは、人気を揃えれば確かめられます。1〜6番人気の60頭だけで数えても、4歳は21頭中9頭で42.9%、5歳は28頭中7頭で25.0%。17.9ポイントの差が残りました(6歳以上は11頭しかいないので参考値です)。人気の裏返しではありません。

キャリアは年齢とは別に効いている

キャリアの少ない馬ほど連対率が高く、年齢の重なりを外した5歳以上に限っても差が残りました。

オールカマーより前の出走数で割ると、10戦以下の24頭が29.2%、21戦以上の52頭が9.6%です。年齢が上なら出走数も多いので、5歳以上の104頭だけで数え直すと、15戦以下の31頭が16.1%、16戦以上の73頭が8.2%で、差は7.9ポイントでした。2026年に22戦のキャントウェイトと32戦のメイショウゲキリンが連対したため、前回の集計(13.2ポイント)より差は縮んでいます。

キャリア全131頭5歳以上の104頭だけ
10戦以下24頭中7頭 29.2%15戦以下:31頭中5頭 16.1%
11〜20戦55頭中8頭 14.5%
21戦以上52頭中5頭 9.6%16戦以上:73頭中6頭 8.2%
キャリアはオールカマーより前の出走数。右列は年齢の重なりを外すため5歳以上に限定し、15戦で2つに分けて数え直したもの

4歳は前走GII・GIIIからも来る、5歳以上は前走GI組が上

4歳は前走GII・GIIIの15頭からも5頭が連対し、5歳以上は前走GI組が前走GII・GIII組の約2倍でした。

5歳以上では前走がGIだった26頭が15.4%、GII・GIIIだった55頭が7.3%です。4歳は前走GII・GIIIの15頭から5頭(33.3%)が連対し、前走GIでなくても来ています(前走GIの4歳は8頭で参考値)。なお5歳以上で前走が重賞以外だった23頭からは3頭が連対していて、そのうち2頭が2026年の1・2着です。

前走4歳27頭5歳以上104頭
GI8頭中4頭 50.0%(参考値)26頭中4頭 15.4%
GII・GIII15頭中5頭 33.3%55頭中4頭 7.3%
重賞以外4頭中0頭(参考値)23頭中3頭 13.0%
5歳以上の「重賞以外」の連対3頭は2022年ロバートソンキー、2026年メイショウゲキリン、2026年キャントウェイト
年着馬名人気前走キャリア
20251着レガレイラ(牝)1番人気宝塚記念11着9戦
20241着レーベンスティール(牡)1番人気エプソムC1着9戦
20231着ローシャムパーク(牡)4番人気函館記念1着9戦
20221着ジェラルディーナ(牝)5番人気小倉記念3着14戦
20211着ウインマリリン(牝)2番人気天皇賞(春)5着10戦
20212着ウインキートス(牝)5番人気札幌記念9着17戦
20202着カレンブーケドール(牝)2番人気京都記念2着10戦
20181着レイデオロ(牡)1番人気ドバイシーマクラシック4着9戦
20182着アルアイン(牡)3番人気クイーンエリザベス2世C5着11戦
4歳が連対したのは10回中7回。2017年・2019年・2026年は4歳の連対がなかった(2026年は唯一の4歳ヴーレヴーが3着)

6歳以上の連対4頭は、2026年メイショウゲキリン(1着・32戦)、2025年ドゥラドーレス(2着・11戦)、2024年アウスヴァール(2着・26戦)、2017年ステファノス(2着・23戦)です。


「牝馬が強い」の正体は4歳牝馬

牝馬の連対率31.8%は牡馬の12.0%を大きく上回りますが、連対7頭のうち5頭は4歳牝馬です。

牝馬は22頭中7頭が連対し、10回のうち5回は牝馬が勝っています。ただしこの数字をそのまま「牝馬だから買う」に変えるのは早すぎます。年齢で割ると、連対した牝馬7頭のうち5頭が4歳でした。

区分全131頭4歳だけ5歳以上だけ
牡100頭中12頭 12.0%17頭中4頭 23.5%83頭中8頭 9.6%
牝22頭中7頭 31.8%8頭中5頭 62.5%(参考値)14頭中2頭 14.3%(参考値)
セン9頭中1頭 11.1%(参考値)2頭中0頭(参考値)7頭中1頭(参考値)
4歳と5歳以上に割ると、どちらの牝馬も15頭に届かない。性別だけで判定できる母数ではない

4歳牝馬は8頭、5歳以上の牝馬は14頭で、どちらも率では判定できません。言えるのは「牝馬の連対の多くは4歳で、うしろには27頭で確かめた年齢の差がある」までで、別定で牝馬が2kg軽いことも一因として見ておきます。2026年は牝馬が3頭出て、4歳のヴーレヴーが3着、1番人気の5歳レガレイラが4着と、連対はありませんでした。

年着馬名性齢斤量人気前走
20263着ヴーレヴー牝455.0kg3番人気クイーンS
20264着レガレイラ牝556.0kg1番人気宝塚記念
20269着エセルフリーダ牝555.0kg5番人気中山牝馬S
20251着レガレイラ牝457.0kg1番人気宝塚記念11着
20254着フェアエールング牝555.0kg8番人気クイーンS
20255着ホーエリート牝455.0kg3番人気目黒記念
202412着サリエラ牝555.0kg4番人気天皇賞(春)
20234着マリアエレーナ牝555.0kg10番人気小倉記念
20236着ジェラルディーナ牝556.0kg3番人気宝塚記念
20239着ウインマリリン牝657.0kg9番人気札幌記念
20221着ジェラルディーナ牝454.0kg5番人気小倉記念3着
20223着ウインキートス牝554.0kg7番人気目黒記念
20226着デアリングタクト牝554.0kg1番人気宝塚記念
20211着ウインマリリン牝455.0kg2番人気天皇賞(春)5着
20212着ウインキートス牝455.0kg5番人気札幌記念9着
20214着レイパパレ牝456.0kg1番人気宝塚記念
20217着ランブリングアレー牝554.0kg4番人気ヴィクトリアマイル
202110着ロザムール牝554.0kg9番人気七夕賞
20201着センテリュオ牝554.0kg5番人気マーメイドS2着
20202着カレンブーケドール牝454.0kg2番人気京都記念2着
20171着ルージュバック牝555.0kg5番人気ヴィクトリアマイル10着
20178着デニムアンドルビー牝754.0kg8番人気鳴尾記念
2017〜2026年に出走した牝馬22頭のすべて。2018年と2019年は牝馬の出走が1頭もなかった

「軽い斤量が有利」も牝馬の2kg減|牡馬だけで見ると逆になる

55.0kg以下の17頭は連対率35.3%ですが、17頭すべてが牝馬で、牡馬だけだと重い側が上でした。

別定で牝馬が2kg軽いので、「軽い斤量の馬」と「牝馬」が同じ集団を指してしまいます。そこで牡馬100頭だけで数え直すと、56.0kg以下の50頭が8.0%、57.0kgの44頭が15.9%、57.5kg以上の6頭が16.7%。重いほうが下がるどころか上がっています。

斤量帯別の連対率(牡馬100頭に限定)0%10%20%30%40%8.0%56.0kg以下50頭中4頭15.9%57.0kg44頭中7頭16.7%57.5kg以上6頭中1頭(参考値)

ただしこれを「重い斤量が有利」と読むのも間違いです。別定の基礎重量は2023年から1kg引き上げられていて、2022年までは4歳以上の牡馬56kg・牝馬54kg、2023年からは57kg・55kgです。56.0kgと57.0kgの差には「馬の重い・軽い」より「年の違い」が多く含まれます。57.5kg以上の6頭はGI・GIIの勝ち鞍で加増された実績馬で、連対したのは2023年タイトルホルダー(58.0kg・2着)の1頭だけでした。

斤量全131頭牡馬100頭だけ
55.0kg以下17頭中6頭 35.3%(17頭とも牝馬)該当なし
55.5〜56.0kg57頭中4頭 7.0%50頭中4頭 8.0%
56.5〜57.0kg51頭中9頭 17.6%44頭中7頭 15.9%
57.5kg以上6頭中1頭 16.7%(参考値)6頭中1頭 16.7%(参考値)
負担重量は別定。2022年までは4歳以上56.0kg・牝54.0kg、2023年からは57.0kg・牝55.0kgが基準で、そこにGI・GIIの実績に応じた加増が乗る

斤量は、年によって基準そのものが動いている数字です。選別に使う場面はない、と考えておくのが安全です。


前走の着順より「どのクラスで負けてきたか」

前走の着順では差が小さく、前走6着以下の66頭からも8頭が連対しています。

前走1着の18頭が27.8%、前走6着以下(競走中止を含む)の66頭が12.1%。連対した20頭のうち8頭が前走6着以下で、春や夏に負けてきた馬が普通に巻き返しています。

前走の着順頭数連対連対率複勝率
1着18頭5頭27.8%33.3%
2〜3着24頭4頭16.7%33.3%
4〜5着23頭3頭13.0%21.7%
6着以下(競走中止を含む)66頭8頭12.1%16.7%
前走1着と前走6着以下の開きは15.7ポイント

ただしその66頭を前走のクラスと人気で割ると、はっきり分かれます。

前走6着以下の66頭を割ると頭数連対連対率
前走がGI18頭5頭27.8%
前走がGII・GIII32頭2頭6.2%
前走が重賞以外16頭1頭6.2%
1〜6番人気だった馬17頭6頭35.3%
7番人気以下だった馬49頭2頭4.1%
重賞以外の1頭は2026年メイショウゲキリン(前走は障害戦)

連対8頭の顔ぶれにも、この差が出ています。2025年レガレイラ(宝塚記念11着→1着)、2019年スティッフェリオ(宝塚記念7着→1着)、2017年ルージュバック(ヴィクトリアマイル10着→1着)、2017年ステファノス(安田記念7着→2着)、2023年タイトルホルダー(天皇賞・春で競走中止→2着)。GII・GIIIで負けてから巻き返したのは2024年アウスヴァール(札幌記念7着→2着)と2021年ウインキートス(札幌記念9着→2着)の2頭です。残る1頭は障害未勝利6着から勝った2026年メイショウゲキリンです。

ただし前走の格は人気に織り込まれています。全体では前走GIが23.5%、GII・GIIIが12.9%と差がありますが、1〜6番人気に揃えると前走GIが28頭中8頭、GII・GIIIも28頭中8頭で、どちらも28.6%と差が消えます。前走の格は、オッズを見る前の目安として使うのが実際的です。

間隔と馬体重では差がつかない

前走からの間隔と前走比の馬体重の増減では、15頭以上の区分にはっきりした差は出ませんでした。

前走からの間隔は、22〜60日が31頭中6頭で19.4%、61〜110日が39頭中7頭で17.9%、111日以上が52頭中7頭で13.5%です(中2週以内は9頭しかおらず参考値、連対は0頭)。

前走比の馬体重頭数連対連対率
9kg以上減14頭3頭21.4%(参考値)
1〜8kg減46頭8頭17.4%
増減なし23頭3頭13.0%
1〜8kg増31頭5頭16.1%
9kg以上増17頭1頭5.9%
9kg以上増は17頭で1頭。1頭違えば11.8%になる母数なので外す根拠にはしない

当日の馬体重では460〜489kgの58頭が24.1%、490〜519kgの48頭が6.2%と差が出ますが、460〜489kgには牝馬が14頭、490〜519kgには3頭と、軽い側に牝馬が寄っています。これも性別との重なりなので、単独では使えません。


枠順は10回のブレ、後方不利はコースの性質

オールカマー単体の内枠有利は10回のブレの範囲で、4コーナー後方の不利はコース全体で再現します。

オールカマーの131頭だけを見ると、内1〜3枠が40頭中11頭で27.5%、中4〜6枠が9.8%、外7〜8枠が10.0%。内枠有利に見えますが、同じ中山芝2200mのオープン級(オールカマー・セントライト記念・アメリカジョッキークラブカップ)2017〜2026年の30レース・延べ415頭では、開きは5.4ポイント。1〜6番人気に揃えた179頭では5.8ポイント、オールカマーを除いた284頭では3.6ポイントです。枠順は軸に使えません。

枠オールカマー131頭中山芝2200mオープン級415頭同・1〜6番人気179頭
内(1〜3枠)40頭中11頭 27.5%127頭中22頭 17.3%61頭中19頭 31.1%
中(4〜6枠)51頭中5頭 9.8%162頭中23頭 14.2%75頭中19頭 25.3%
外(7〜8枠)40頭中4頭 10.0%126頭中15頭 11.9%43頭中13頭 30.2%
開き17.7pt5.4pt5.8pt
母数を増やすと差が縮む=17.7ptは偶然の並びとして扱う

一方、4コーナーでの位置は逆でした。オールカマーの131頭で前39頭が25.6%、後方49頭が8.2%。同じ415頭で数えても前24.6%・中団17.6%・後方3.9%で、人気を1〜6番人気に揃えた179頭でも前36.4%・中団29.7%・後方12.8%と、前と後方に23.6ポイントの差が残ります。中山芝2200mで後方から届きにくいのは、コースの性質として言い切ってよい数字です。

4コーナーの位置別 連対率(中山芝2200mオープン級30レース)全415頭1〜6番人気の179頭0%10%20%30%40%24.6%36.4%前4角で頭数の1/4以内17.6%29.7%中団3.9%12.8%後方

JRAのレース紹介によると、中山芝2200mは外回りで、2コーナーから下り勾配が続き、最後の直線は310mしかありません。直線にはスタンド前で高低差2.2mの急坂があります。オールカマーの10回の馬場は良が8回、稍重が1回(2020年)、重が1回(2026年)です。上がり3ハロン最速の馬が連対したのは10回中7回で、2026年も最速のキャントウェイトが2着に届きました。

4コーナーの位置はレース後にしか分かりません。事前には、各馬の近5走の4コーナー通過順から、今回も5番手以内で回れそうな馬を先に選び出す形が実際的です。


勝ち馬は秋のGIへどうつながるか

2017〜2025年の勝ち馬9頭は全頭が同年の秋GIに出走し、そのうち3頭がGIを勝っています。

オールカマーは2014年から1着馬に天皇賞(秋)の優先出走権が与えられています。この節だけは2017〜2025年の9回で数えました。2026年の上位馬は、この記事の更新時点(2026年10月10日)でまだ秋のGIを走っていないためです。

オールカマーでの着順同年秋のGIに出走秋GIで3着以内秋GI優勝
1着(9頭)9頭3頭3頭
2着(9頭)5頭1頭0頭
3着(9頭)5頭2頭1頭
4〜5着(18頭)10頭0頭0頭
2017〜2025年の9回。同一年の9月以降のGI(香港国際競走を含む)での成績

秋GIを勝った3頭は、2018年レイデオロ(天皇賞・秋)、2022年ジェラルディーナ(エリザベス女王杯)、2025年レガレイラ(エリザベス女王杯)です。3着からは2021年グローリーヴェイズが香港ヴァーズを勝っています。

天皇賞(秋)に直行した馬は9年で16頭いますが、掲示板に載ったのはレイデオロ(1着)、2018年アルアイン(4着)、2023年ガイアフォース(5着)の3頭だけで、残りは7着以下か競走除外でした。ここを勝てば天皇賞(秋)でも買える、という並びではありません。オールカマーで4〜5着だった18頭からは、同年の秋GIで3着以内に入った馬が1頭も出ていません。


オールカマーとはどんなレースか|基本情報と過去10年の全結果

オールカマーは9月に中山芝2200mで行われる別定のGIIで、2026年が第72回でした。

項目内容
レース名産経賞オールカマー(GII)
施行場・コース中山競馬場 芝2200m(右・外回り)
出走資格サラ系3歳以上(国際・指定)/1着馬に天皇賞(秋)の優先出走権(2014年から)
負担重量別定(4歳以上 牡馬57.0kg・牝馬55.0kg。2022年までは56.0kg・54.0kg。GI・GIIの実績に応じた加増あり)
回次・施行日第72回は2026年9月20日(4回中山6日目)。2017〜2025年は4回中山7日目
発走15時45分
1着賞金6,700万円(2025年)
近年の出走頭数9〜17頭(10回の平均13.1頭)
馬場・勝ちタイム良8回・稍重1回・重1回/2分10秒2〜2分16秒9
集計は2017〜2026年の10回・延べ131頭。netkeibaとJRAのページから作成(2026年10月時点)

JRAのレース紹介によると、オールカマーは1955年の創設で、第1回は中山の芝2000mのハンデ戦でした。1984年のグレード制導入でGIIIとなり、距離が芝2200m(外回り)に延びています。1986年から1994年までは地方競馬招待として行われ、1995年にGIIへ格上げされました。

集計の前提として、2017年から2026年までの10回はすべて中山・芝2200m・3歳以上オープン・別定・発走15時45分で行われています。違いは2026年だけ4回中山6日目の施行だったことと、負担重量の基準が2023年から1kg上がったことです。なお2014年は中山競馬場の改修のため新潟・芝2200m(左回り)で行われました。10年より前まで遡って数えるときは、コースの違う年が混ざります。

年頭数1着(人気/前走)2着(人気/前走)3着(人気)馬連
202613頭メイショウゲキリン 牡7(9番人気/障害3歳以上未勝利6着)キャントウェイト 牡5(6番人気/3勝クラス1着)ヴーレヴー(3番人気)30,940円
202511頭レガレイラ 牝4(1番人気/宝塚記念11着)ドゥラドーレス 牡6(2番人気/七夕賞2着)ヨーホーレイク(4番人気)680円
202415頭レーベンスティール 牡4(1番人気/エプソムC1着)アウスヴァール セ6(10番人気/札幌記念7着)リカンカブール(12番人気)3,470円
202315頭ローシャムパーク 牡4(4番人気/函館記念1着)タイトルホルダー 牡5(1番人気/天皇賞・春 競走中止)ゼッフィーロ(7番人気)1,020円
202213頭ジェラルディーナ 牝4(5番人気/小倉記念3着)ロバートソンキー 牡5(6番人気/日本海S1着)ウインキートス(7番人気)10,970円
202116頭ウインマリリン 牝4(2番人気/天皇賞・春5着)ウインキートス 牝4(5番人気/札幌記念9着)グローリーヴェイズ(3番人気)1,980円
20209頭センテリュオ 牝5(5番人気/マーメイドS2着)カレンブーケドール 牝4(2番人気/京都記念2着)ステイフーリッシュ(3番人気)1,850円
201910頭スティッフェリオ 牡5(4番人気/宝塚記念7着)ミッキースワロー 牡5(3番人気/七夕賞1着)グレイル(6番人気)2,240円
201812頭レイデオロ 牡4(1番人気/ドバイシーマクラシック4着)アルアイン 牡4(3番人気/クイーンエリザベス2世C5着)ダンビュライト(2番人気)490円
201717頭ルージュバック 牝5(5番人気/ヴィクトリアマイル10着)ステファノス 牡6(1番人気/安田記念7着)タンタアレグリア(3番人気)1,700円
馬連はJRAの公式払戻。10回中7回が2,300円以下で、2,300円を超えたのは2022年・2024年・2026年の3回

表を縦に見ると、勝ち馬10頭のうち6頭が4歳、3頭が5歳、1頭が7歳です。牝馬が5回勝っていて、内訳は4歳が3回・5歳が2回です。同じ中山芝2200mで行われる3歳限定戦の傾向はセントライト記念 過去10年データに、天皇賞(秋)へ向かう馬が集まる東京の前哨戦は毎日王冠 過去10年データに、同じ「4歳が中心」という並びが出ている秋の別路線はアルゼンチン共和国杯 過去10年データにまとめています。


よくある質問

本文で扱いきれなかった条件や例外を、過去10年の数字で7つの質問に分けて補います。

Q. オールカマーの過去10年で、最も差が出た条件は何ですか。

A. 年齢です。4歳は27頭中9頭(33.3%)、6歳以上は55頭中4頭(7.3%)でした。ただし4歳の出走は年に1〜4頭と少なく、2017年と2026年は1頭だけでした。

Q. 2026年の9番人気の勝利で、過去10年の傾向は使えなくなりましたか。

A. 崩れたのは「6歳以上は勝てない」「7番人気以下は来ない」「外す2条件」の3つで、4コーナーで前にいる馬と上がり最速の馬の好走は沿っていました。3連単383,690円は602番人気の決着で、重馬場の年は10回で1回だけです。

Q. 牝馬は強いのですか。

A. 22頭中7頭が連対(31.8%)し、うち5頭が4歳でした。1〜6番人気に揃えても牝馬16頭中7頭(43.8%)、牡馬44頭中11頭(25.0%)と差は残りますが、5歳以上の牝馬は14頭で判定できません。

Q. 斤量の軽い馬が有利ですか。

A. 55.0kg以下の17頭はすべて牝馬で、牡馬だけだと56.0kg以下8.0%、57.0kg15.9%と重い側が上でした。牝馬の中でも54.0kgが8頭中3頭、55.0kgが9頭中3頭で、斤量による差は見えません(どちらも参考値)。

Q. 前走で大敗した馬は買えますか。

A. 前走6着以下の66頭から8頭が連対し、前走GIなら18頭中5頭(27.8%)、GII・GIIIなら32頭中2頭(6.2%)です。年齢で割ると5歳は20頭中3頭(15.0%)、6歳以上は38頭中3頭(7.9%)でした。

Q. 人気薄の一発はありますか。

A. 7番人気以下は71頭中2頭(2.8%)で、3着まで広げても5頭(7.0%)です。連対は2024年アウスヴァール(10番人気2着)と2026年メイショウゲキリン(9番人気1着)でした。

Q. オールカマーの勝ち馬は天皇賞(秋)で買えますか。

A. 2017〜2025年の勝ち馬9頭のうち天皇賞(秋)を勝ったのは2018年レイデオロだけで、直行16頭の掲示板は3頭でした。オールカマー6着以下からも、2019年ウインブライト(9着)が同年の香港カップを勝っています。


参考情報

集計の元データと、本文の事実を確かめるのに使った公式ページは次の4つです。

免責事項

本記事は公開データの集計で、的中を保証するものではありません。馬券の購入は自己責任でお願いします。

2026年のように傾向が崩れる年もあります。「参考値」は母数15頭未満の区分です。施行条件や負担重量の最新情報はJRAの発表でご確認ください。

更新履歴

2026年10月10日に2026年の結果を加え、集計を2017〜2026年の10回に更新しました。

2026年8月14日 公開。2026年10月10日 更新(2026年の結果を加えて集計を1年ずらし、負担重量の基準変更の年を2023年に訂正)。

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この記事を書いた人

競馬予想ロジック研究家。現役のエンジニアであり、会社を経営している。データの集計と分析、判断ルールの設計を本業とする。2000年代前半に独自の競馬予想ロジックを組み立て、年間を通して収支をプラスに保つ取り組みをおよそ10年にわたり続けていたと本人は語る。馬券の払戻金に対する課税の扱いが問題になった2010年代前半に第一線を退き、現在は馬券を購入していない。1レースごとの的中よりも「買うレースを選ぶ基準」のほうを重視する立場をとってきた。集計は編集部が担い、判断ルールの設計と最終的な選出は本人が行っている。過去の経緯であり、将来の結果を保証するものではない。

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