この記事でわかること
- 今村聖奈騎手の年度別成績(2022年のデビューから2026年7月26日まで)を数字で確認できます
- 51勝→25勝→6勝→22勝と動いた背景に何があったのかを整理しています
- 重賞2勝(2022年CBC賞・2026年オークス)が競馬史のなかでどういう位置づけなのかがわかります
- 「今村聖奈 移籍」で検索される話の実際(厩舎の移籍ではありません)を説明しています
- 減量の特典がいまどうなっているのかを、制度に沿って整理しています
今村聖奈騎手は、2022年3月にデビューし、その年に51勝を挙げた騎手です。2026年5月24日の優駿牝馬(オークス)をジュウリョクピエロで勝ち、JRA所属の女性騎手として初めてG1を制しました。
ただ、この5年間は右肩上がりの一本道ではありません。デビュー年の51勝から、2024年は6勝まで落ちています。この記事では、その5年間を年度ごとの数字で通しで並べ、何が起きていたのかを事実だけで整理します。数字は2026年7月26日の騎乗までを集計したものです。
今村聖奈騎手のプロフィール
まず基本のデータをまとめます。所属は栗東の寺島良厩舎で、2022年3月のデビューから変わっていません。
| 生年月日 | 2003年11月28日 |
|---|---|
| 出身地 | 滋賀県 |
| 身長・体重 | 159cm・47kg |
| 所属 | 栗東・寺島良厩舎(デビューから変更なし) |
| デビュー | 2022年3月5日(阪神・リンギングフォン、8着) |
| 初勝利 | 2022年3月13日(阪神・ブラビオ) |
| JRA通算成績 | 1,827戦113勝(勝率6.2%・連対率12.5%・3着内率18.8%) |
| 重賞 | 31戦2勝(うちG1 1勝) |
| 家族 | 父は元JRA騎手の今村康成(現・調教助手) |
年度別成績の推移(2022〜2026年)
5年分の数字を1つの表にまとめました。勝利数だけを見ると上下していますが、あわせて騎乗数を見ると、話が変わります。
| 年 | 騎乗数 | 1着 | 2着 | 3着 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | 重賞(出走/勝) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022年 | 606 | 51 | 48 | 42 | 8.4% | 16.3% | 23.3% | 11/1 |
| 2023年 | 486 | 25 | 30 | 34 | 5.1% | 11.3% | 18.3% | 11/0 |
| 2024年 | 192 | 6 | 9 | 9 | 3.1% | 7.8% | 12.5% | 2/0 |
| 2025年 | 343 | 22 | 18 | 16 | 6.4% | 11.7% | 16.3% | 4/0 |
| 2026年 | 200 | 9 | 11 | 14 | 4.5% | 10.0% | 17.0% | 3/1 |
| 累計 | 1,827 | 113 | 116 | 115 | 6.2% | 12.5% | 18.8% | 31/2 |
2022年:606騎乗51勝、デビュー年に記録が並んだ
3月5日の初騎乗(阪神・リンギングフォン、8着)から8日後の3月13日、ブラビオでJRA初勝利。7月3日には中京のCBC賞をテイエムスパーダで勝ち、女性騎手として初めて重賞初騎乗初勝利を達成しました。12月にはルーキーイヤー50勝に到達しています。
この年の勝率8.4%は、5年間で最も高い数字です。騎乗数606回も最多で、量と率が同時に出た1年でした。
2023年:486騎乗25勝、5月に30日間の騎乗停止
2年目は486騎乗で25勝。勝率は5.1%に下がりました。5月3日に、競馬の公正確保に関する規定(調整ルーム内でのスマートフォン使用)に違反したとして30日間の騎乗停止処分を受け、復帰後の初勝利は6月18日でした。
騎乗数は前年比で120回減にとどまっており、この年は「乗る機会が消えた」というより率が落ちた年と読むのが数字に沿った見方です。
2024年:192騎乗6勝。この年の数字は「落馬と手術」で説明がつく
5年間で最も数字が小さいのが2024年です。ただ、これを不調の一言でまとめると事実からずれます。
- 5月4日、新潟で落馬し右足を負傷
- 6月26日、調教中に落馬して右肩を脱臼
- 7月3日、患部を手術
騎乗数は前年の486回から192回へ、およそ6割減です。勝利数が減る前に、乗る機会そのものが半分以下になっていました。勝率3.1%という数字も、復帰直後の期間を含んだうえでのものです。
2025年:343騎乗22勝、見習騎手の減量が外れた年
騎乗数が343回まで戻り、22勝・勝率6.4%。5年間で2番目に高い勝率です。この年の動きは3つあります。
- 4月9日、拠点を美浦へ一時的に移した(所属は栗東・寺島厩舎のまま)
- 5月11日、橘ステークスで見習騎手を卒業(見習騎手としての減量が外れた)
- 10月19日、JRA女性騎手として最速でJRA通算100勝に到達
減量が外れたあとも勝率が6.4%を保っている点は、数字として押さえておく価値があります。
2026年:200騎乗9勝、そのうちの1勝がオークス
7月26日までで200騎乗9勝、勝率4.5%。重賞は3走して1勝で、その1勝が5月24日のオークスです。勝率だけを見ると前年を下回っていますが、3着内率は17.0%と2025年(16.3%)を上回っています。
重賞2勝の中身
2026年7月末時点の重賞成績は31戦2勝です。この2勝はどちらも記録がついた勝利でした。
| 年月日 | レース | 格 | 馬名 | 記録 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年7月3日 | CBC賞(中京・芝1200m) | GIII | テイエムスパーダ | 女性騎手初の重賞初騎乗初勝利 |
| 2026年5月24日 | 優駿牝馬(オークス/東京・芝2400m) | GI | ジュウリョクピエロ | JRA所属の女性騎手として初のG1制覇。クラシック初騎乗初勝利 |
「女性騎手初のG1」は、どういう意味で初なのか
ここは表現が分かれやすいところなので、切り分けて書きます。
- JRAに所属する女性騎手としては、今村聖奈騎手が初めてのJRA・G1制覇です。
- JRAで騎乗した女性騎手全体で見ると2人目にあたります。1人目は、短期免許で騎乗していたR.キング騎手(2025年フェブラリーステークス)です。
報道によって「初」と「2人目」の両方が出てくるのは、この所属の違いによるものです。
なお、ジュウリョクピエロは同年4月の忘れな草賞を勝ってオークスに向かっています。その一戦については今村聖奈が忘れな草賞を制した記事で触れています。
芝とダート、どちらで勝ってきたか
通算113勝の内訳を路面で分けると、芝46勝・ダート67勝です。出走数も芝837戦に対してダート990戦で、キャリア全体としてはダート寄りの騎手という数字が出ています。
ただし、この比率は固定ではありません。デビュー年の2022年は芝268戦・ダート338戦でしたが、2026年は芝113戦・ダート87戦と逆転しています。オークスという芝2400mのG1を勝ったのも、この流れのなかの出来事です。
| 年 | 芝(出走/勝利) | 芝の勝率 | ダート(出走/勝利) | ダートの勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年 | 268/19 | 7.1% | 338/32 | 9.5% |
| 2023年 | 222/8 | 3.6% | 264/17 | 6.4% |
| 2024年 | 69/1 | 1.4% | 123/5 | 4.1% |
| 2025年 | 165/11 | 6.7% | 178/11 | 6.2% |
| 2026年 | 113/7 | 6.2% | 87/2 | 2.3% |
| 累計 | 837/46 | 5.5% | 990/67 | 6.8% |
「今村聖奈 移籍」で検索される話の実際
「移籍」という語で検索されることがありますが、今村聖奈騎手に厩舎の移籍はありません。2022年3月のデビューから栗東・寺島良厩舎の所属で、これは2026年7月末時点でも変わっていません。
実際にあったのは、2025年4月9日からの拠点の一時的な移転です。春の新潟開催が終わるまで美浦を拠点にすると報じられ、その後も関東に滞在しています。所属を移したわけではなく、騎乗機会を確保するために活動の場を関東へ広げた、という位置づけです。
この年の騎乗数は192回(2024年)から343回へ戻っています。移転だけが理由とは言い切れませんが、乗る機会が増えた年であったことは数字に出ています。
減量はいま、どうなっているのか
ここは2つの制度が別々に動いているため、混同されやすいところです。分けて整理します。
| 制度 | 内容 | 今村聖奈騎手の状況 |
|---|---|---|
| 見習騎手の減量 | 勝利数と免許取得からの年数に応じて、負担重量が減る。勝利数が積み上がると段階的に外れる | 2025年5月11日の橘ステークスをもって卒業。現在は適用されない |
| 女性騎手の減量 | 2019年3月導入。女性騎手であれば継続して適用される。ただし特別競走を除く一般競走に限られる | 継続して適用される(一般競走で2kg減) |
つまり、見習騎手としての減量はすでに外れており、いま残っているのは女性騎手の減量だけです。しかもこれは一般競走に限られるため、重賞やG1では適用されません。
2026年のオークスも、この減量が効かないレースでした。3歳牝馬の定量戦であり、他の騎手と同じ条件での勝利だったことになります。
よくある質問
Q. 今村聖奈騎手はどこの厩舎に所属していますか。
A. 栗東の寺島良厩舎です。2022年3月のデビューから変わっていません。
Q. 「移籍」と検索されるのはなぜですか。
A. 2025年4月から拠点を美浦へ一時的に移したためです。所属厩舎の移籍ではありません。
Q. 減量の特典はまだありますか。
A. 見習騎手としての減量は2025年5月に外れました。女性騎手の減量は、特別競走を除く一般競走で継続して適用されます。
Q. G1は何勝していますか。
A. 2026年7月末時点で1勝です。2026年5月24日の優駿牝馬(オークス)をジュウリョクピエロで勝ちました。
Q. 通算成績はどのくらいですか。
A. JRAで1,827戦113勝(2026年7月26日時点)。勝率6.2%、連対率12.5%、3着内率18.8%です。
Q. 2024年に成績が落ちたのはなぜですか。
A. 5月に新潟で落馬して右足を負傷し、6月には調教中の落馬で右肩を脱臼、7月に手術を受けています。騎乗数そのものが前年の486回から192回へ減りました。
出典
- 競馬ラボ 騎手データベース(年度別成績・路面別成績)
- netkeiba 騎手データベース(プロフィール・通算成績・重賞成績)
- JRA 負担重量に関する規定(見習騎手の減量、女性騎手の減量)
- 2026年優駿牝馬に関する各社報道(スポーツニッポン、中日スポーツ ほか)
※本記事の数字は2026年7月26日の騎乗終了時点で公表されているものです。成績は開催ごとに更新されます。過去の成績は今後の結果を保証するものではありません。馬券の購入は自己判断でお願いします。
