2026年4月12日の阪神9R・忘れな草賞で、今村聖奈騎手が騎乗するジュウリョクピエロが豪快な差し切り勝ちを収めました。単勝7番人気の伏兵が見せた圧巻の末脚に、SNSなどのネット上では早くも「オークスの有力候補」として歓喜の声が上がっています。
なぜこれほどまでに注目を集めているのかといえば、ダートデビューから芝へ転向して連勝を重ねた異色のキャリアと、寺島良調教師との師弟コンビで挑むG1初制覇のストーリー性にあります。本記事では、ジュウリョクピエロのこれまでの軌跡や血統背景、さらにはオークスへの展望について詳しく解説します。
今村聖奈が忘れな草賞を制圧!ジュウリョクピエロの圧勝劇
阪神競馬場の芝2000mで行われたリステッド競走・忘れな草賞は、ゲートが開いた瞬間から波乱の予感を漂わせていました。今村聖奈騎手が手綱を取るジュウリョクピエロは、スタート直後からあえて最後方に控える大胆な戦略を選択。前半は他の馬たちが前で競り合う展開を、まるで嵐の前の静けさのように後方から見守っていたのです。
レースが動いたのは3コーナー付近でした。ジュウリョクピエロはじわじわとポジションを押し上げ、4コーナーでは馬群の大外へ持ち出す態勢を整えていました。そして迎えた直線、今村騎手がゴーサインを出すと、オルフェーヴル産駒の底力が一気に爆発。上がり35.2秒という強烈な末脚で先行各馬をごぼう抜きにし、2着馬に2馬身半もの差をつける圧勝劇を演じてみせました。
牝馬クラシック路線を占う重要な一戦で、これほどのインパクトを残す勝ち方は近年でもなかなかお目にかかれません。最後方から一頭だけ次元の違う脚を使って突き抜けた姿は、競馬ファンの記憶に深く刻まれるレースとなったのではないでしょうか。
単勝7番人気を覆したオルフェーヴル産駒の末脚
今回のジュウリョクピエロの勝利がこれほど衝撃的だったのは、単勝オッズ18.9倍の7番人気という低評価からの激走だったからにほかなりません。休養明けでの出走、さらにはダートデビューという異色の経歴もあり、多くのファンが本命視していなかったのが正直なところでしょう。
しかし結果は、その下馬評を完全に覆すものでした。以下がレースの着順です。
| 着順 | 馬名 | 騎手 | タイム | 上がり3F |
|---|---|---|---|---|
| 1着 | ジュウリョクピエロ | 今村聖奈 | 2:01.3 | 35.2 |
| 2着 | クロワデュノール | — | 2:01.7 | 35.8 |
| 3着 | — | — | 2:01.9 | 35.6 |
注目すべきは上がり3ハロン(ゴール前の約600m)のタイムです。勝ち馬の35.2秒は出走メンバーの中でも抜けて速く、2着馬を0.6秒も上回っています。上がり3ハロンとは、レース終盤の約600mにかかったタイムのことで、この数値が小さいほど「最後の直線で速い脚を使えた」ことを意味します。つまりジュウリョクピエロは、最後方という不利な位置取りを帳消しにできるほどの圧倒的な瞬発力を持っているということです。
父オルフェーヴルは三冠馬にして凱旋門賞でも2着に入った歴史的名馬であり、その産駒が持つ爆発的な末脚がまさに忘れな草賞の直線で再現されたといえるでしょう。
「強すぎワロタ」ネット歓喜のSNSの反応まとめ
レース直後からSNS上は大きな盛り上がりを見せ、競馬ファンたちの歓喜のコメントが次々と投稿されました。特に目立った反応をいくつか紹介します。
- 「最後方から大外一気であの着差、父オルフェーヴルを彷彿とさせる走りだった」
- 「砂デビューの馬がリステッド圧勝って、これ伝説の忘れな草賞になるのでは」
- 「今村聖奈騎手でオークスG1初制覇、これはワンチャンあるぞ」
- 「サンドピアリスの再来か?穴馬がそのまま本番で激走するパターンを期待したい」
とりわけ印象的だったのは、かつて大穴でオークスを制したサンドピアリスの名前が飛び交っていた点です。低人気馬が前哨戦で鮮烈な勝ち方を見せ、そのままG1の舞台でも走る——そんなシンデレラストーリーへの期待が、ファンの間で大きく膨らんでいることがうかがえます。ネット上の熱気は、この馬とこの騎手の組み合わせが持つ特別な魅力を物語っているのではないでしょうか。
ダートから芝へ!ジュウリョクピエロの異色の軌跡
ジュウリョクピエロの競走馬としてのキャリアは、実に型破りなものです。多くの牝馬クラシック候補が芝のレースでデビューする中、この馬が最初に走ったのはダート(砂のコース)でした。しかもそのダート新馬戦をあっさりと勝ち上がっているのですから、当初は「ダート路線で活躍する馬」という見方が大勢を占めていたのも無理はありません。
ところが、その後に挑戦した重賞レースでは壁にぶつかります。ダートの重賞で結果を残せず、陣営は大きな決断を迫られました。そこで寺島良調教師が選んだのが、芝への路線転向という一手だったのです。競馬の世界では、ダートから芝に替わって才能が開花する馬は決して珍しくありませんが、牝馬クラシックを見据えたこのタイミングでの転向には相当な覚悟があったことでしょう。
結果的にこの判断は大正解でした。芝に転向した前走で鮮やかな勝利を飾ると、休養を挟んで臨んだ今回の忘れな草賞ではリステッド競走を圧勝。わずか2戦で芝の適性を証明してみせたのです。ダートデビューから芝転向、そしてオークスへ。この異色のローテーションこそが、ジュウリョクピエロという馬の底知れぬ可能性を物語っています。
寺島良調教師との「師弟コンビ」で挑むオークス
今回の勝利を語るうえで欠かせないのが、今村聖奈騎手と寺島良調教師の絆です。栗東トレーニングセンターに厩舎を構える寺島師は、今村騎手がデビューした頃から多くの騎乗機会を与え、その成長を間近で見守ってきた存在として知られています。いわば二人三脚で歩んできた師弟の関係が、いよいよG1という最高峰の舞台で花を咲かせようとしているのです。
レース後、寺島師は「勝ったからしゃあない」と笑顔でコメントしました。この一言には、もともとオークス参戦を確定していたわけではなかった事情がにじんでいます。つまり、勝てばオークスへ向かう——その条件をジュウリョクピエロが自らの走りでクリアしてしまったということです。調教師の想定を超える走りを見せた愛馬への驚きと、それでも隠しきれない喜びが入り混じった、実に人間味あふれる言葉ではないでしょうか。
こうして師弟コンビでのオークス参戦が正式に決まりました。競馬の世界では、騎手と調教師の信頼関係がレース結果を大きく左右することがあります。阿吽の呼吸で通じ合う二人がG1の大舞台に挑む姿は、勝敗を超えた感動を届けてくれるに違いありません。
今村聖奈騎手悲願の「G1初制覇」の可能性
今村聖奈騎手にとって、G1初制覇は悲願ともいえる目標です。今回の忘れな草賞の勝利により、ジュウリョクピエロとのコンビ成績は4戦3勝という驚異的な数字になりました。これほどの相性の良さを示すパートナーと、5月24日に東京競馬場の芝2400mで行われるオークスに挑めることは、騎手にとってこの上ないチャンスといえるでしょう。
ここで注目したいのが、コース適性の観点です。今回の阪神芝2000mは内回りコースのため、直線距離が約356mと比較的短く、大外から差し切るには相当な脚力が求められます。それにもかかわらず2馬身半差の圧勝を演じたということは、直線が約525mと長い東京競馬場ではさらに有利に立ち回れる可能性を秘めているのです。
さらに血統面でも心強い材料があります。父オルフェーヴルは現役時代に芝2400mの日本ダービーと芝3000mの菊花賞を制しており、産駒にも中長距離での底力を伝える傾向が見られます。忘れな草賞の芝2000mからオークスの芝2400mへ、400mの距離延長はむしろジュウリョクピエロの持ち味である末脚をさらに活かせる舞台になるかもしれません。
過去を振り返れば、忘れな草賞を勝ってオークスでも好走した馬は少なくありません。ミッキークイーンのように、このレースをステップにG1を制した前例もあります。今村聖奈騎手とジュウリョクピエロの師弟コンビが、その系譜に名を連ねる日は来るのでしょうか。
まとめ
2026年忘れな草賞は、ジュウリョクピエロと今村聖奈騎手の鮮烈なパフォーマンスによって、牝馬クラシック戦線に新たな主役が誕生したことを告げるレースとなりました。ダートデビューから芝への転向、単勝7番人気からの大外一気、そして寺島良調教師との師弟コンビで掴んだオークスへの切符。このドラマチックなストーリーは、まだ序章にすぎません。
5月24日の東京競馬場で開催されるオークスでは、オルフェーヴル産駒の血が騒ぐ芝2400mの舞台が待っています。G1初制覇を目指す今村聖奈騎手の手綱さばきに、ぜひ注目してみてください。レースの最新情報やオッズ、出走メンバーの確定についてはJRAの公式サイトをこまめにチェックして、当日の馬券検討に役立てていただければ幸いです。
