【シャーガーカップ2026】武豊とルメールの騎乗馬が確定|8月8日アスコット、2人が「乗らないレース」が1つずつある

2026年8月8日、イギリス・アスコット競馬場で「ドバイデューティフリー シャーガーカップ」が行われる。世界の名手12人が4チームに分かれ、6つの競走で得点を奪い合う、年に一度のチーム対抗戦だ。日本からは武豊騎手(57=栗東・フリー)とクリストフ・ルメール騎手(47=栗東・フリー)が出場するが、2人は別々のチームに入っている。JRAは8月7日、2人の騎乗馬を発表した。

この記事でわかること

  • シャーガーカップの仕組み(4チーム12人・6競走・合計得点でチーム優勝)
  • 武豊騎手とルメール騎手の全騎乗馬と、2人が「乗らないレース」が1つずつあること
  • 1着を取っても勝てないことがある、得点表の読み方
  • 2026年ならではの見どころ(香港ジョッキークラブ選抜、ライアン・ムーアの復帰)
目次

シャーガーカップ2026とは|8月8日アスコットで武豊とルメールが「別チーム」で戦う

シャーガーカップは、イギリスのアスコット競馬場で毎年夏に行われる国際騎手招待競走だ。1999年に創設され、ゴルフのライダーカップに範を取ったチーム対抗戦として設計されている。個々のレースの勝ち馬を決めるだけの一日ではなく、6つの競走を通じてチームの合計得点を競うところに特徴がある。

4チーム12人が6競走の合計得点を争う

出場するのは4チーム、各3人の計12人。騎手はそれぞれの競走で馬をあてがわれ、着順に応じた得点を自分のチームに持ち帰る。6競走すべてが終わった時点で合計得点が最も多いチームが優勝する。つまり、1人のスターが1勝を挙げるより、3人が揃って上位に食い込むほうが効くことがある。

得点は1着15点・2着10点・3着7点・4着5点・5着3点

得点の配分は下の通りで、5着まで点が入るのがこの大会の肝になっている。

シャーガーカップの得点配分

1着15点
2着10点
3着7点
4着5点
5着3点

1着と2着の差が5点しかない一方、掲示板に載れば必ず点が入る。この配分が、後述する「勝たなくても戦える」構造を生んでいる。

出場12騎手とチーム分け|今年は香港ジョッキークラブ選抜が入った

2026年の4チームは、ヨーロッパ選抜、イギリス・アイルランド選抜、香港ジョッキークラブ選抜、世界選抜という顔ぶれになった。日本人の坂井瑠星騎手・岩田望来騎手が総合優勝を飾った2025年はアジア選抜が組まれていたが、今年その枠にあたる位置には香港ジョッキークラブ選抜が入っている。

チーム キャプテン チームメイト
ヨーロッパ選抜 クリストフ・ルメール マリー・ヴェロン(フランス)/フリーダ・ヴァレスカー(ノルウェー出身・フランス拠点)
イギリス・アイルランド選抜 サフィー・オズボーン(イギリス) ライアン・ムーア(イギリス)/ディラン・ブラウン・マクモナグル(アイルランド)
香港ジョッキークラブ選抜 チャクイウ・ホー ジェリー・チャウ/ルーク・フェラリス
世界選抜 ジェイミー・メルハム(オーストラリア) 武豊/スラジ・ナレドゥ(インド)

ルメール騎手はヨーロッパ選抜のキャプテンとして、フランス色の濃い3人をまとめる立場になった。武豊騎手は世界選抜で、キャプテンはオーストラリアの女性騎手ジェイミー・メルハム騎手が務める。日本の2人が同じチームで並ばないことが、今年の観戦のいちばん分かりやすい入口だ。

ライアン・ムーアが20年ぶりに戻ってきた

イギリス・アイルランド選抜は当初2枠が未定だったが、8月3日にライアン・ムーア騎手(42)とディラン・ブラウン・マクモナグル騎手の参加が発表された。ムーア騎手のシャーガーカップ出場は2006年以来20年ぶり2度目で、初出場時には2勝を挙げたと伝えられる。ロイヤルアスコットで何度もリーディングを取ってきた地元の名手が、20年の間隔を空けて同じ舞台に戻ってくる形になる。

武豊とルメールの騎乗馬|全6競走と、2人が「乗らないレース」

JRAが8月7日に発表した2人の騎乗馬は下の通り。武豊騎手とルメール騎手はともに5鞍で、それぞれ1つずつ騎乗しない競走がある。

レース 距離 武豊 ルメール
1R シャーガーカップダッシュ 芝1000m ゲイリ ボロネイズ
2R シャーガーカップステイヤーズ 芝3190m マウンテンロード ハーメティック
3R シャーガーカップチャレンジ 芝2390m スポーティングシルバーマイン 騎乗なし
4R シャーガーカップスプリント 芝1200m グラスミアボーイ メイエンジェル
5R シャーガーカップクラシック 芝2390m ロイヤルポエトリー キングオブバークシャー
6R シャーガーカップマイル 芝1590m 騎乗なし ブレットポイント

武豊は6Rマイル、ルメールは3Rチャレンジに騎乗なし

2人が休むレースが1つずつあり、しかもそれが別のレースというのが今年の並びだ。ルメール騎手が乗らない3Rチャレンジで武豊騎手が点を取れば、その分は世界選抜だけが受け取る。逆に最終6Rマイルは、武豊騎手が見ている前でルメール騎手が加点できる場面になる。チーム戦である以上、両者が直接ぶつからないレースの結果もそのまま順位に効いてくる。

芝1000mから芝3190mまで|6競走で求められる適性がまるで違う

1Rの芝1000mから2Rの芝3190mまで、距離の幅がとにかく広い。同じ日に短距離戦と長距離戦の両方をこなす必要があり、日本の開催では味わえない忙しさになる。とりわけ2Rステイヤーズの芝3190mは、日本の中央競馬では天皇賞・春(芝3200m)くらいしか近い距離がなく、ここを経験している騎手は多くない。

ポイント表から読む見方|1着を取っても勝てないことがある

ここがシャーガーカップの面白いところだ。得点表を頭に入れて見ると、勝ち馬を当てるのとは別の勝負が同時に進んでいることが分かる。

2着+5着で13点、3着2回で14点|掲示板を拾い続ける騎手が効く

1着は15点だが、2着(10点)と5着(3点)を1回ずつ拾えば13点になる。3着(7点)を2回続ければ14点で、1勝した騎手にほぼ並ぶ。つまり「1回も勝てなかった騎手」が「1勝しかできなかった騎手」を上回る場面が普通に起こる。武豊騎手とルメール騎手が5鞍ずつ乗るということは、5回ぶんの取りこぼしが効くということでもある。

だから中盤のレースで自分の馬が伸びずに終わっても、そこで見るのをやめてしまうと本当の勝負を見落とす。4着や5着に押し上げた3点・5点が、最終レースを終えた時点で効いてくる。

チーム優勝とシルバーサドル賞は別のタイトル

この日に決まるタイトルは1つではない。チームの合計得点で決まるシャーガーカップと、個人の最多得点者に贈られるシルバーサドル賞は別ものだ。

シャーガーカップ(チーム)

3人の得点を合計し、最も多いチームが優勝。個人が勝てなくても、3人で満遍なく掲示板を拾えば取れる。

シルバーサドル賞(個人)

最も多くの得点を挙げた騎手ひとりに贈られる。チームが負けても個人で取れる。

チームが振るわなくても個人で最多得点を挙げれば銀の鞍は持ち帰れる。武豊騎手とルメール騎手はチームが違うので、この2つのタイトルで別々に競い合うことになる。

武豊は8年ぶり9回目、ルメールは4年ぶり3回目|日本勢の参戦史

JRAの発表によれば、武豊騎手は8年ぶり9回目、ルメール騎手は4年ぶり3回目の出場となる。武豊騎手の出場歴は日本人最多だ。

騎手 2026年の立場 出場歴
武豊 世界選抜(8年ぶり9回目) 2003・2004・2007・2008・2011・2012・2015・2018年に出場
クリストフ・ルメール ヨーロッパ選抜キャプテン(4年ぶり3回目) 今回で3度目の出場
坂井瑠星・岩田望来 2025年にアジア選抜として出場 アジア選抜が総合優勝。坂井が4Rスプリントを勝利

2003年から2018年まで8度|「出場歴」であって優勝歴ではない

武豊騎手の2003年から2018年までの8度は出場した年であり、その年に優勝したという意味ではない。今年が9度目の参戦にあたる。国内では2026年7月に通算5000勝という節目を通過したばかりで、その足でアスコットへ向かう形だ(参考:武豊が史上初の通算5000勝|JRA・地方・海外で刻んだ57歳の金字塔)。

2025年は坂井瑠星・岩田望来のアジア選抜が総合優勝

直近の2025年大会では、坂井瑠星騎手と岩田望来騎手が加わったアジア選抜が総合優勝を果たした。坂井騎手は4Rスプリントを勝ち、「アスコットで最初の勝利。夢が叶いました」と語っている。日本の騎手にとって、この大会は縁遠い招待レースではなくなってきている。

2026年の見どころ3つ

今年ならではの見どころを3つに絞ると、次のようになる。

  • 武豊とルメールが別チームで戦う:世界選抜とヨーロッパ選抜。同じレースに2人が揃うのは1R・2R・4R・5Rの4つで、3Rと6Rは片方だけになる。
  • ライアン・ムーアの20年ぶりの参戦:地元アスコットを知り尽くした名手が、イギリス・アイルランド選抜の一員として戻ってくる。
  • 香港ジョッキークラブ選抜という新しい顔ぶれ:昨年のアジア選抜に代わる位置に入り、チャクイウ・ホー騎手がキャプテンを務める。

ちなみに:ルメールが直前に選んだ「キャリアの名馬5頭」

大会を前にした8月6日、ルメール騎手はワールドプールのメディア向けイベントで「自身のキャリアで騎乗した名馬5頭」を挙げている。5位がプライド、4位がディヴァインプロポーションズ、3位がウオッカ、2位がイクイノックス、そして1位がアーモンドアイだった。

3位のウオッカについては「マシーン。ストロングアスリートでした。レジェンドホースです」、2位のイクイノックスは「コースの上でバレリーナのようでした」と表現している。1位のアーモンドアイについては、ルメール騎手は「日本で最も多くのG1を勝った馬」「G1・9勝です。1600メートルから2400メートルまでオールマイティーな牝馬でした」と語り、「彼女の背中に乗ることができて幸せでした」と締めくくった。上位3頭のうち3頭が日本で走った馬という並びに、この騎手の20年余りが表れている。なお海外の大舞台への挑戦という点では、ルメール騎手は今年7月にもサトノレーヴでイギリス遠征を経験している(参考:サトノレーヴがジュライC3着|7度目の海外G1挑戦を阻んだ1馬身差)。

よくある質問(FAQ)

シャーガーカップ2026について、よく聞かれる点をまとめた。

Q. シャーガーカップはいつどこで行われますか。

A. 2026年8月8日(土)、イギリスのアスコット競馬場で行われます。日本時間では8日の夜にあたります。

Q. 日本から中継や配信で見られますか。

A. 本記事の執筆時点で、日本国内での中継・配信方法について確認できる公式発表がありません。視聴方法はJRAや主催者側の発表を確認してください。

Q. 日本で馬券は買えますか。

A. こちらも執筆時点で日本国内での発売の有無を確認できていません。海外競走の馬券発売はレースごとに扱いが変わるため、JRAの発表を確認してください。

Q. 勝ち負けはどう決まりますか。

A. 6競走の着順に応じて1着15点・2着10点・3着7点・4着5点・5着3点が入り、3人の合計得点が最も多いチームが優勝します。個人で最多得点を挙げた騎手にはシルバーサドル賞が贈られます。

Q. 武豊騎手とルメール騎手は同じチームですか。

A. 別チームです。武豊騎手は世界選抜、ルメール騎手はヨーロッパ選抜のキャプテンで、6競走のうち4つで同じレースに出走します。

Q. 2人は何鞍ずつ乗りますか。

A. ともに5鞍です。武豊騎手は6Rマイル、ルメール騎手は3Rチャレンジに騎乗馬がいません。

まとめ

シャーガーカップ2026は、8月8日にアスコットで行われる4チーム12人のチーム対抗戦だ。武豊騎手は世界選抜で8年ぶり9回目、ルメール騎手はヨーロッパ選抜のキャプテンとして4年ぶり3回目の出場となり、2人とも5鞍ずつ乗る。

得点が5着まで入る仕組みを知っていると、勝ち馬から目を離した後にもまだ見るものが残る。3着や4着に押し上げた数点が、最終レースを終えた時点でチームの順位を入れ替えることがあるからだ。勝ち負けだけを追うより、得点表を横に置いて眺めるほうが、この一日はずっと長く楽しめる。

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この記事を書いた人

競馬予想ロジック研究家。現役のエンジニアであり、会社を経営している。データの集計と分析、判断ルールの設計を本業とする。2000年代前半に独自の競馬予想ロジックを組み立て、年間を通して収支をプラスに保つ取り組みをおよそ10年にわたり続けていたと本人は語る。馬券の払戻金に対する課税の扱いが問題になった2010年代前半に第一線を退き、現在は馬券を購入していない。1レースごとの的中よりも「買うレースを選ぶ基準」のほうを重視する立場をとってきた。集計は編集部とAIが担い、判断ルールの設計と最終的な選出は本人が行っている。過去の経緯であり、将来の結果を保証するものではない。

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