有馬記念 過去10年データ分析|連対馬20頭の共通点(脚質・年齢・枠順・人気)

有馬記念 過去10年データ分析

有馬記念は、1年の締めくくりに中山競馬場の芝2500mで行われるG1です。ファン投票で出走馬が決まる特別な一戦だけに、「過去10年でどんな馬が2着以内に来ているのか」を確かめてから馬券を組みたい方が多いレースでもあります。

このページでは、2016年から2025年までの10回・のべ158頭の走破結果をひとつずつ数え直し、連対(2着以内)した20頭にどんな数字が出ていたのかを整理しました。予想印は出しません。あくまで「過去に何がどうだったか」までを、母数つきで並べたページです。

この記事でわかること

  • 過去10年の連対20頭に出ていた、位置取り・年齢・前走の傾向
  • 「内枠有利」「外枠は苦しい」が数字ではどう出ているのか
  • 2023年の負担重量の改定で、斤量のデータをどう読み替える必要があるのか
  • その数字が本当に位置取りのせいなのか(人気を揃えて確かめた結果)
  • 集計の母数と、この数字で言えないこと

目次

有馬記念とはどんなレースか(概要と集計の前提)

まず、このページが何のデータでできているかを先に出しておきます。

レース名有馬記念(第71回・2026年)
格付けG1(3歳以上・定量)
開催日2026年12月27日(日)
コース中山競馬場・芝2500m(外回りからスタートし、内回りを1周半)
負担重量3歳牡56kg/3歳牝54kg/4歳以上牡58kg/4歳以上牝56kg
出走枠16頭(ファン投票の上位馬に優先出走権)
集計単位2016年〜2025年の10回・のべ158頭(JRA中央の本レースのみ)
データ出所netkeibaのレース結果および各馬の競走成績

集計にあたって、先に3つ断っておきます。

  • 4コーナーの位置取りは、レースが終わってからしか分からない事後の数字です。「この馬は今年も前に行く」という保証にはなりません。本文では、前走で前に行っていたかどうかという推定と、集計の数字は分けて書きます。
  • 母数が小さい区分は落とさず、頭数を必ず併記します。10頭に満たない区分は「※参考値」と付けています。
  • 2023年から負担重量が1kg引き上げられました。そのため斤量は10年を通して並べず、改定前後で分けています。

結論|過去10年の連対20頭に出ていた3つの傾向

158頭を数え終えて、はっきり差が出たのは次の3つでした。数字はいずれも連対率(2着以内に入った割合)です。

  1. 4コーナーで前にいた馬が22.9%(48頭中11頭)、後方だった馬は3.4%(58頭中2頭)。位置取りの差がいちばん素直に並びました。
  2. 3歳馬が32.0%(25頭中8頭)、6歳以上は37頭で連対1頭。年齢が上がるほど数字は落ちています。
  3. 前走が天皇賞(秋)だった馬は19頭中6頭が連対(31.6%)。最多はジャパンCの48頭ですが、連対率は10.4%にとどまりました。

ただし、この3つはどれも「その条件だから来た」と言い切れるものではありません。理由は後の章で1つずつ確かめます。


4コーナーの位置取り|前と後方で6倍以上の開き

4コーナーの通過順位を、頭数の4分の1以内を「前」、6割までを「中団」、それより後ろを「後方」として3つに分けました。16頭立てなら4番手までが「前」です。

4コーナーの位置取り別の連対率(2016-2025・158頭) 0% 10% 20% 30% 22.9% 前(4角で1/4以内) 48頭中11頭 13.5% 中団 52頭中7頭 3.4% 後方 58頭中2頭 4角の位置はレース後にしか分からない 事後の数字。今年の位置取りの保証ではない

前と後方で6倍以上の開きがあり、3つのグループがきれいに階段状に並びました。中山の芝2500mはコーナーを6回まわる小回りコースで、直線は約310m。「立ち回りの巧さが要る」と言われてきた説明とは、数字の向きは合っています。

ただし「後ろにいたから負けた」とは限らない

後方の58頭には、そもそも人気のない馬が多く含まれています。位置取りが結果を決めたのか、単に力の足りない馬が後ろにいただけなのかは、この数字だけでは分かれません。そこで1〜3番人気の30頭だけに絞って、同じ集計をやり直しました。

4角の位置全158頭での連対率1〜3番人気だけの連対率
前(1/4以内)22.9%(48頭中11頭)46.7%(15頭中7頭)
中団13.5%(52頭中7頭)33.3%(12頭中4頭)※参考値
後方3.4%(58頭中2頭)33.3%(3頭中1頭)※参考値

人気を揃えると、前と後方の差は6倍から1.4倍まで縮みました。母数が3頭・12頭と小さいので断定はできませんが、少なくとも「後方だから消し」と機械的に扱うのは、この数字からは支持されません。実際、2025年のミュージアムマイルは4角11番手から差し切っています。


年齢|3歳が32.0%、6歳以上は37頭で連対1頭

年齢別の連対率(2016-2025・158頭) 0% 10% 20% 30% 32.0% 3歳 25頭中8頭 15.9% 4歳 44頭中7頭 7.7% 5歳 52頭中4頭 2.7% 6歳以上 37頭中1頭

3歳が32.0%(25頭中8頭)、4歳15.9%、5歳7.7%、6歳以上は37頭で連対1頭(2024年のシャフリヤール)でした。位置取りと同じく、こちらも素直に階段になっています。

もっとも、25頭という母数は10年ぶんとしては小さい点に注意が必要です。1頭の着順が入れ替わるだけで4ポイント動きます。また、有馬記念に出てくる3歳は、その年のクラシックで上位を争った馬に絞られます。逆に6歳以上でファン投票に選ばれる馬は、実績はあってもピークを過ぎていることが多くなります。「若いから走る」ではなく「その年齢で出てくる馬の顔ぶれが違う」と読むほうが実態に近いはずです。

斤量の数字は、年齢と性別の言い換えに近い

有馬記念は定量戦なので、斤量は馬の実力ではなく年齢と性別で決まります。さらに2023年から負担重量が1kg引き上げられたため、10年を通して斤量を並べると別の条件の馬が混ざります。改定前後で分けたのが次の表です。

期間斤量該当出走連対連対率
2016-2022
(改定前)
55kg3歳牡・4歳以上牝45頭10頭22.2%
57kg4歳以上牡66頭4頭6.1%
2023-2025
(改定後)
54kg3歳牝2頭1頭※参考値
56kg3歳牡・4歳以上牝14頭2頭14.3%
58kg4歳以上牡31頭3頭9.7%

どちらの期間でも、軽いほうのグループが上に来ています。ただし軽い斤量に該当するのは3歳と牝馬なので、これは年齢の集計と同じものを別の切り口で見ているだけです。「斤量が軽いから有利」ではなく、「3歳と牝馬に軽い斤量が与えられている」という順番で読んでください。

なお性別で分けると、牝馬が15.8%(38頭中6頭)、牡・せん馬が11.7%(120頭中14頭)でした。差はありますが、有馬記念に出てくる牝馬はG1を勝った実績馬に限られるため、この数字をもって「牝馬のほうが強い」とは言えません。


前走|最多はジャパンC、連対率が高いのは天皇賞(秋)

158頭すべての前走をたどりました。ローテーションは有馬記念でとくに話題になるところです。

前走レース別の連対率(出走8頭以上の6レース) 0% 10% 20% 30% 31.6% 天皇賞(秋) 19頭中6頭 20.0% 菊花賞 15頭中3頭 12.5% エリザベス女王杯 24頭中3頭 12.5% 凱旋門賞 8頭中1頭 10.4% ジャパンC 48頭中5頭 0% アルゼンチン共和国杯 9頭中0頭
前走出走連対連対率3着以内
ジャパンC48頭5頭10.4%10頭(20.8%)
エリザベス女王杯24頭3頭12.5%4頭(16.7%)
天皇賞(秋)19頭6頭31.6%7頭(36.8%)
菊花賞15頭3頭20.0%5頭(33.3%)
アルゼンチン共和国杯9頭0頭0.0%0頭
凱旋門賞8頭1頭12.5%※参考値2頭(25.0%)
ステイヤーズS5頭0頭0.0%※参考値0頭
その他(金鯱賞・福島記念・京都大賞典など)30頭2頭6.7%2頭

いちばん多いのは前走ジャパンCで、10年で48頭。有馬記念の出走馬のおよそ3頭に1頭がこのローテです。ただし連対は5頭にとどまりました。一方、天皇賞(秋)から直行してきた19頭は6頭が2着以内で、母数がある区分では最も高い数字です。2021年エフフォーリア、2022年イクイノックス、2025年ミュージアムマイルはいずれもこのローテでした。

前走の着順で分けると次のとおりです。

前走の着順出走連対連対率
1着36頭6頭16.7%
2〜3着34頭7頭20.6%
4〜5着21頭3頭14.3%
6着以下66頭4頭6.1%

前走で勝っていることよりも、前走を大きく負けていないことのほうが差になって出ています。前走6着以下だった66頭からも4頭が連対しているので、消える条件ではありません。2025年2着のコスモキュランダは前走ジャパンC9着でした。


枠順|10年で差はつきにくい。ただし外枠から勝った馬はいない

出走1着連対連対率
1枠18頭1頭2頭11.1%
2枠20頭1頭3頭15.0%
3枠20頭2頭3頭15.0%
4枠20頭2頭2頭10.0%
5枠20頭3頭5頭25.0%
6枠20頭1頭2頭10.0%
7枠20頭0頭1頭5.0%
8枠20頭0頭2頭10.0%

3つにまとめると、内枠(1〜3枠)13.8%、中枠(4〜6枠)15.0%、外枠(7〜8枠)7.5%。内と中の差はほとんどなく、枠順は位置取りや年齢ほど素直に並びませんでした。「内枠有利」と言われますが、10年ぶんの数字では内が飛び抜けているわけではありません。

目につくのは外枠のほうで、7〜8枠の40頭からは10年間で勝ち馬が出ていません。ただし2着は3頭出ています。2023年のスターズオンアース(8枠16番・7番人気)と2024年のシャフリヤール(8枠16番・10番人気)は、いずれも大外から2着に来ました。母数40頭で1着が0回というのは、「起こりにくい」とは言えても「起こらない」の根拠にはなりません。人気薄が外に入っただけという見方もできます。


上がり3F|最速だった馬は10回中8回が2着以内

上がり最速の馬上がり着順
2016ヤマカツエース35.14着
2017ルージュバック34.35着
2018レイデオロ35.42着
2019リスグラシュー34.71着
2020サラキア35.42着
2021エフフォーリア35.91着
2022ボルドグフーシュ35.22着
2023ドウデュース34.31着
2024レガレイラ34.91着
2025ミュージアムマイル34.61着

10回のうち1着が5回、2着が3回。直近7年に限れば7回とも2着以内に入っています。もっとも、これは「速い上がりを使ったから来た」というより、「伸びて上位に来た馬の上がりが結果として最速だった」という順番です。予想の段階で誰が最速を出すかは分かりません。

それでも読み取れることはあります。中山2500mはコーナー6回の小回りでペースが落ち着きやすく、結局は上がりの脚が要る決着になっているということです。前で運びながら最後にもうひと脚を使えた馬が勝っている、という説明は2019年以降の7回と矛盾しません。


人気|1番人気は10回中6回連対、10番人気以下は69頭中3頭

人気出走1着連対連対率3着以内
1番人気10頭5頭6頭60.0%6頭(60.0%)
2〜3番人気20頭4頭6頭30.0%13頭(65.0%)
4〜6番人気30頭1頭3頭10.0%5頭(16.7%)
7〜9番人気29頭0頭2頭6.9%3頭(10.3%)
10番人気以下69頭0頭3頭4.3%3頭(4.3%)

1番人気は10回中5回勝ち、6回が2着以内。G1としては信頼されている部類です。一方で1〜3番人気の30頭が2着以内を独占しているわけではなく、連対20頭のうち8頭は4番人気以下でした。2020年2着サラキア(11番人気)、2024年2着シャフリヤール(10番人気)、2025年2着コスモキュランダ(12番人気)と、10番人気以下からも3頭が2着に入っています。上位人気を軸に置きつつ、相手を広げる余地はある数字です。


過去10年の連対馬20頭一覧

馬名性齢斤量枠・馬番人気4角前走
20161サトノダイヤモンド牡3556枠11番13番手菊花賞1着
20162キタサンブラック牡4571枠1番22番手ジャパンC1着
20171キタサンブラック牡5571枠2番11番手ジャパンC3着
20172クイーンズリング牝5552枠3番83番手エリザベス女王杯7着
20181ブラストワンピース牡3554枠8番34番手菊花賞4着
20182レイデオロ牡4576枠12番18番手天皇賞(秋)1着
20191リスグラシュー牝5553枠6番29番手コックスプレート1着
20192サートゥルナーリア牡3555枠10番37番手天皇賞(秋)6着
20201クロノジェネシス牝4555枠9番13番手天皇賞(秋)3着
20202サラキア牝5557枠14番1112番手エリザベス女王杯2着
20211エフフォーリア牡3555枠10番15番手天皇賞(秋)1着
20212ディープボンド牡4573枠5番55番手凱旋門賞14着
20221イクイノックス牡3555枠9番13番手天皇賞(秋)1着
20222ボルドグフーシュ牡3552枠3番66番手菊花賞2着
20231ドウデュース牡4583枠5番23番手ジャパンC4着
20232スターズオンアース牝4568枠16番72番手ジャパンC3着
20241レガレイラ牝3544枠8番53番手エリザベス女王杯5着
20242シャフリヤール牡6588枠16番105番手BCターフ3着
20251ミュージアムマイル牡3562枠4番311番手天皇賞(秋)2着
20252コスモキュランダ牡4585枠10番122番手ジャパンC9着

この数字をどう使うか

ここまでの集計から言えるのは、次のところまでです。

  • 軸に据えるなら年齢と前走。3歳と4歳で連対20頭のうち15頭を占めています。前走が天皇賞(秋)か菊花賞だった34頭からは9頭が出ました。どちらもレース前に分かる情報です。
  • 位置取りは「読み」であって条件ではない。4角の位置は事後の数字なので、使うなら「前走で前に行っていたか」という推定に置き換える必要があります。
  • 枠順は判断材料としては弱い。内と中でほとんど差がなく、外枠も2着は3頭出ています。枠だけを理由に切るには根拠が足りません。
  • 人気は軸ではなく、買い方を決める材料。1番人気の連対率60%は、点数を絞るか広げるかの判断に使うほうが素直です。

逆に、この10年の数字では言えないことも書いておきます。158頭・10回という母数は、ひとつの区分に分ければ数十頭しかありません。「6歳以上は消し」「外枠は買わない」といった全否定は、この母数からは出てこない結論です。傾向として弱い、というところで止めるのが正直な扱いだと考えています。


最新年の答え合わせ

レースが終わり次第、その年の結果をこの欄に追記し、上の集計と照らし合わせます。当たった年だけを載せることはしません。外れた年も同じ形で残します。

(2026年の結果は12月のレース後に追記します)


よくある質問

Q. 2026年の有馬記念はいつ、どこで行われますか。
A. 2026年12月27日(日)、中山競馬場の芝2500mです。第71回にあたります。3歳以上のG1で、負担重量は定量です。

Q. 過去10年で3歳馬はどれくらい来ていますか。
A. 出走25頭のうち8頭が2着以内でした(32.0%)。ただし出走してくる3歳はクラシックの上位馬に限られるため、若さそのものの効果とは言い切れません。

Q. 外枠は本当に不利ですか。
A. 7〜8枠の40頭から10年間で1着は出ていませんが、2着は3頭出ています(2020年サラキア、2023年スターズオンアース、2024年シャフリヤール)。起こりにくい、とまでしか言えない数字です。

Q. 前走はどのレースからが多いですか。
A. 最も多いのはジャパンCで10年48頭。連対率が高いのは天皇賞(秋)組で、19頭中6頭が2着以内に入っています。

Q. 4コーナーで前にいた馬の連対率が高いのは、単に強い馬が前にいるだけではありませんか。
A. そのとおりの可能性があります。1〜3番人気だけに絞ると、前46.7%・中団33.3%・後方33.3%まで差が縮みました。位置取りだけを理由に評価を上下させるのは避けたほうが安全です。


参考情報

免責事項

本記事は公開データの集計であり、的中を保証するものではありません。過去10年・158頭という母数は区分ごとに見ると数十頭にとどまり、将来の結果を約束する数字ではありません。馬券の購入はご自身の判断と責任でお願いします。

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この記事を書いた人

競馬予想ロジック研究家。現役のエンジニアであり、会社を経営している。データの集計と分析、判断ルールの設計を本業とする。2000年代前半に独自の競馬予想ロジックを組み立て、年間を通して収支をプラスに保つ取り組みをおよそ10年にわたり続けていたと本人は語る。馬券の払戻金に対する課税の扱いが問題になった2010年代前半に第一線を退き、現在は馬券を購入していない。1レースごとの的中よりも「買うレースを選ぶ基準」のほうを重視する立場をとってきた。集計は編集部とAIが担い、判断ルールの設計と最終的な選出は本人が行っている。過去の経緯であり、将来の結果を保証するものではない。

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